先週の米国相場は、CPI、FOMCのイベントを通過し、金利が大きく下落し、幅広いセクターの銘柄が買われて株価は軒並み上昇しています。12月に入ってから株式相場は短期的に買われ過ぎの状態となっており、投資家心理は相場が天井をつけることが多い強気派が50%の水準を超えてきていることから、株価の調整はいつ入ってもおかしくない状態になってきています。
株価指数が調整する動きとなっても、新しく上昇してい銘柄は次々に出てきていますので、スイングトレードで次の買いのチャンスを見逃さないよう監視を続けていきたいと思います。
今週は12/22にPCEの発表が予定されています。CPIに続いてインフレの数字が順調に下落に向かっているのかを確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理は強気派が増加し、株価指数が高値をつけた2023年7月以来の50%超えとなっています。投資家心理のチャートだけ見ると、2021年の3月から4月にかけてと同じようなパターンのようにも見えます。2021年の前半は軽めの調整の後に大きく上昇する動きとなっていました。
米国債10年物の利回りは-7.47%と大きく下落しました。10月後半から始まった下落トレンドを継続しています。
VIXは-0.65%の下落でした。12台の数字で落ち着いています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。12月に入ってからも強い上昇が続いており、12月の上げ幅は+4.27%となっています。
ナスダックの週足チャートです。先週は+3.26%の上昇でした。一旦、弱まってきていた上昇の勢いが再度加速しています。終値ベースでは最高値を更新しています。
ナスダックの高値–安値銘柄数は120に達しています。この水準まで上昇するのは2021年11月以来です。
ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けています。短期的な天井をつけた2023年1月末、7月の水準に到達しています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は80%(下のグラフ部は30)を超えてきました。買われ過ぎの水準を明確に超えてきました。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。12月も強い上昇が続いており、最高値を更新しました。12月の上げ幅は+3.78%となっています。
ダウの週足チャートです。先週は+2.85%の上昇で一旦落ち着いていた上昇の勢いが再加速しています。
ダウの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は前週と比べて上昇しています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は80%(下のグラフでは30)を超えた水準で推移しています。買われ過ぎの状態でもさらに買い手が現れている状況です。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。他の株価指数と同様に12月も強い上昇を続けています。2021年11月の高値の4800に近づいています。
S&P500の週足チャートです。先週は+2.45%の上昇でした。7週連続で上昇しています。
S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けており、高値をつけた2023年2月、7月の水準に到達しています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は80%を超えて買われ過ぎの水準で推移しています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。12月は11月以上に強い動きとなっており、12月の上げ幅は+9.99%に達しています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+5.81%の上昇でした。直近の1年間で3度に渡って上昇を妨げてきた2000に到達しています。今週以降にこの水準をブレイクアウトできるかがポイントになりそうです。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は上昇を続けており、7月の高値を明確に超えてきました。この水準から一旦の調整が入ったとしても大きく下落せずに踏みとどまれれば上昇相場に入っていく可能性が高まります。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は80%(下のグラフでは30)を超え、短期的には買われ過ぎの状態です。
コモディティ先物の分析
原油は+0.75%の小幅な上昇でした。70を割り込んだところで買い手が現れて下ヒゲをつけて終えています。9月末から下落が続いてきましたが、下落が止まる確率が高くなっているように見えます。
天然ガスは-3.49%の下落でした。原油と同様に大きめな下ヒゲをつけて終えています。
金は+1.05%の上昇でした。10月から始まった上昇トレンドはまだ崩れていない状態です。
銅は+1.57%の上昇でした。今週、2週間前の高値を超えていければ上昇トレンドが確定します。
小麦は-0.40%と小幅な値動きで横ばいとなっています。ここから上昇トレンドに入っていけるかを確認したいと思います。
セクター分析
先週は通信サービスを除くセクターが上昇しました。不動産、素材が特に大きな上昇となっています。
業種別のパフォーマンスを確認すると、非常に強い動きが見られたのはソーラー、アルミ、空港、デパート、住宅ローンです。下落した業種は保険、医薬品流通と数は少なく、下落幅も小さくなっています。
個別銘柄の動向
先週は多くの銘柄が上昇しましたが、特に大きく上昇した銘柄は、半導体(AVGO、LRCX)、バイオ(VRTX)、ホームセンター(HD)、銀行(BAC、WFC)、資産管理(BLK)です。一方で、ソフトウェア(ORCL、ADBE)、製薬(PFE)は大きく下落しています。
今週の戦略
12月に入ってからすべての株価指数が明確に買われ過ぎの水準に到達しつつも、幅広いセクターが買われて強い上昇を続けていますが、いつ調整が入ってもおかしくない状態になってきています。
今の水準からは株式相場全体としては一旦は上昇するよりも横ばい、もしくは下落する確率の方が高くなっていると思いますので、スイングトレードは買われ過ぎの状態が落ち着くまでポジションを大きく増やすことはせずに、上昇を続けている既存のポジションの保有を継続するのみにとどめ、買われ過ぎの状態から通常もしくは売られ過ぎの状態へ戻り、高い確率で上昇する銘柄の比率が多くなる次のチャンスを待ちたいと思います。
好決算やポジティブなニュースの発表後に短期的な上昇が見込める銘柄については、持ち越しをせずにデイトレードで売買をしていきたいと思います。
また、自動売買プログラムでは、週末に実施した過去8年間のバックテストの結果が良かったSOXL、TNA、BOIL、UVIXなどのETFを中心に日々上昇する可能性のある銘柄を対象にデイトレードを行なっていきます。
監視銘柄
今週は大きな銘柄の入れ替えはありません。先週の決算発表後に強く上昇したPLAB、先週に強い値動きだったURIを監視対象に追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はACN、FDX、MU、CCL、NKEの決算に注目したいと思います。
12/18
- HEI
12/19
- ACN
- FDX
- SCS
- WOR
12/20
- GIS
- TTC
- WGO
- MLKN
- MU
12/21
- CCL
- CTAS
- PAYX
- AIR
- NKE