先週の米国相場は、長期金利が下落し、株価指数は8月から10月の3ヶ月間に渡る下落から力強く反発して上昇を始めました。特に決算発表でポジティブなサプライズがあった銘柄は20%近く上昇する銘柄が多数見られ、ショートカバーと共に積極的な買い手が現れているように見えます。短期的には株価が上昇する可能性が高くなっていると言えそうです。
投資家心理の調査結果を確認すると、6ヶ月先には株価は下落すると考えている弱気派が50%まで増加しており、中期的には下落する可能性が残されています。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理は6ヶ月後には株価は下落すると考える弱気派が50%を超えて大きく上昇しました。一方で強気派は減少し、25%まで下がっています。来年の前半に株式相場が下落すると考えている投資家が多くいることを表しています。最近の経済指標の数字から半年程度先の景気の悪化を想定している投資家が増えてきているのかもしれません。
米国債10年物の利回りは-5.48%と大きく下落しました。8月から始まった短期の上昇トレンドのラインは割り込んでいますが、5月から始まった中期のトレンドラインに触れたところでやや反発する動きが見られます。
VIXは先週一週間で-29.87%と非常に大きな下落となりました。2021年12月の39%に次ぐ下げ幅です。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。11月に入ってまだ3日しか経過していませんが、+5.12%と大きく上昇し、3ヶ月連続の下落から反発してきました。
ナスダックの週足チャートです。先週は+6.48%の上昇でした。7月末から始まった短期の下落トレンドのラインに到達しています。来週はこの水準を巡って売り手と買い手が交錯して揉み合う展開になるかもしれません。
ナスダックの高値–安値銘柄数は3カ月ぶりにプラス圏に復帰しています。
ナスダックの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は、前の週から大きく上昇し、下落から上昇へトレンドが転換しようとしています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合も大きく上昇しています。45%付近まで急速に上昇しました。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。11月に入ってからの上げ幅は+3.31%で、3ヶ月間の下落から反発してきました。
ダウの週足チャートです。先週は+5.27%の力強い上昇で7月末から始まった短期の下落トレンドのラインをブレイクしています。
ダウの銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は、下落トレンドから大きく上昇して反発してきました。トレンドが転換しようとしています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は一気に50%を超えてきました。かなり急な上昇ですが、まだ買われ過ぎの水準には到達していません。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。11月の上げ幅は+4.22%で3ヶ月連続の下落から強く反発してきました。
S&P500の週足チャートです。先週は+5.93%の上昇でした。7月末から始まった下落トレンドのラインに到達しています。
S&P500の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく上昇し、トレンドが転換しようとしています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は50%付近まで上昇しました。今回のような強い上昇は昨年の10月以来です。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。11月の上げ幅は3日間で+6.18%と株価指数の中で最も強い上昇です。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+7.55%と力強い上昇でした。7月末から始まった下落トレンドのラインを力強くブレイクしています。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は大きく上昇し、下落トレンドから力強く反発してきました。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は50%付近まで一気に戻してきました。昨年の10月の上昇に匹敵する力強い反発です。
コモディティ先物の分析
原油は-5.03%と比較的大きな下落でした。9月から始まった短期の下落トレンドを継続しています。
天然ガスは+0.92%の小幅な上昇でした。4月から始まった緩やかな上昇トレンドを維持しています。
金は+0.04%の横ばいでした。一旦下落した後に金利の下落により上昇して下ヒゲをつけて終えています。上昇する可能性の高いチャートに見えます。
銅は+0.97%の小幅な上昇でした。2023年1月から始まった中期の下落トレンドのライン付近まで戻してきています。
小麦は-0.52%の小幅な下落でした。小さなダブルボトムのようなパターンを形成しつつあります。
セクター分析
先週はすべてのセクターが上昇しました。特に強く上昇したのは不動産です。
業種別のパフォーマンスを確認すると、先週強く上昇したのは放送、住宅建築、ギャンブル、空港サービス、REITです。パフォーマンスが悪かったのは銀と石炭です。
個別銘柄の動向
先週は非常に多くの銘柄が上昇しました。特に強い上昇が見られたのは、ソフトウェア(ADBE、UBER、SHOP)、半導体(NVDA、AMD、QCOM)、インターネット小売(AMZN、MELI)、自動車(TM、RACE)、銀行(BAC)、資産管理(BX、BLK)、金融データ(SPGI)です。それほど強い上昇が見られなかったのは製薬、健康保険、ディフェンシブ、石油などです。
今週の戦略
先週の力強い相場全体の上昇を受けて、短期の下落トレンドが終了しようとしています。先週の上昇から押し目を作る銘柄、短期的な利確と買いが交錯して横ばいの動きとなる銘柄が出てくる可能性があると思います。
ナスダックとS&P500は7月末から始まった短期の下落トレンドラインに到達しており、ここで売り手が盛り返してくる可能性もありますので、特に週明けの数日間の動きをしっかり観察したいと思います。
先週後半からスイングのポジションを追加し始めました。ナスダックとS&P500が下落トレンドをブレイクして上昇していくことを確認できたら、直近の好決算でブレイクした銘柄を中心にポジションを追加していきたいと思います。
監視銘柄
決算発表の後に力強くブレイクしてきたAMD、DKNG、FLR、INFA、PINS、PSN、QLYS、SHOPなどの銘柄を監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はCELH、UBER 、AXON、AFRM、ARMの決算に注目したいと思います。
11/6
- BRK-B
- GNE
- KNF
- TGLS
- AAON
- ACVA
- COHR
- CXT
- CXW
- FN
- HNRG
- PARR
- PAY
- SKT
- SKWD
- STRL
- SWAV
- TDW
- VRTX
11/7
- BSY
- CELH
- DHI
- DDOG
- FOR
- HLNE
- GFS
- IMXI
- INSW
- KKR
- SQSP
- UBER
- VST
- AKAM
- ANDE
- ARRY
- AXON
- FG
- INTA
- IPAR
- LEU
- OXY
- PETQ
- PGNY
- RIVN
- TOST
- UPST
11/8
- ANIP
- FOUR
- AFRM
- AMPH
- APP
- ARM
- DIS
- DUOL
- FICO
- IONQ
- JXN
- KRUS
- MGM
- TTWO
11/9
- DNUT
- SONY
- STNG
- TDG
- VERX
- WIX
- WRK
- YETI
- CWCO
- DV
- LNW
- NWS
- RBA
- U
- WYNN
11/10
- AU
- STNE