先週の米国相場は長期金利の上昇が4週間連続となり、株価指数は軒並み下落しました。VIXが上昇トレンドとなっており、まだ株価指数が反転する兆候は見られません。石油・ガス、金属素材などの先物価格も下落しています。
2023年の上昇を牽引してきた銘柄の中にも大きく下落している銘柄が多数出てきている一方で、アパレル、通信機器、製薬のセクターに好決算を発表して上昇している銘柄が見られます。また、エネルギー関連の銘柄も比較的堅調な動きをしています。
今週は大きな経済指標の発表はありませんが、8/23にNVDA決算発表、8/25にジャクソンホールでパウエル議長の会見があります。これらのイベント後の相場の反応をしっかり確認していきたいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理は弱気派が2週連続で増加してきました。まだ強気派がやや優勢ですが、強気、中立、弱気が拮抗しつつあります。今後の数週間で2021年1月のように反発する動きが見られるかを監視していきたいと思います。
米国債10年物の利回りは+2.38%で4週間連続で上昇しています。2022年10月の高値の4.370%に到達する勢いです。まだ、金利の上昇が止まる兆候は見られません。
VIXは+16.35%と大きく上昇しています。金曜日に下落して上ヒゲを付けていますが、短期の上昇トレンドは継続中です。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。8月に入ってからの下げ幅は-6.85%となっています。上昇トレンド中の調整下落としては大きな幅になってきています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-2.30%の下落で3週連続して下げています。2023年1月から始まった上昇トレンドのラインに近づいてきていますので、このトレンドラインに到達する水準で反発する動きが見られるかどうかを確認していきたいと思います。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を上回っている銘柄の割合は下落を続けています。売られ過ぎの水準に近づいてきました。-20または-30の水準で反転する動きが見られるまで様子見です。
ナスダックの高値–安値銘柄数はマイナス圏に突入しています。まだ-100を下回って急落する動きは見られません。緩やかな下落トレンドとなっています。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。8月の下げ幅は-3.10%となっています。
ダウの週足チャートです。先週は-2.34%と比較的大きな下げ幅です。上昇トレンドラインに触れたところで反発して小さな下ヒゲを付けています。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落トレンドとなっています。小さく反発する動きが見られますが、まだトレンドが転換する段階には至っていません。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。8月の下げ幅は-4.92%となり、ナスダックと同様に下落の勢いが強いです。
S&P500の週足チャートです。先週は-2.25%の下落です。2022年10月から始まった上昇トレンドのラインに近づいてきました。トレンドライン付近で反発する動きが見られるかを確認していきたいと思います。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合も下落を続けています。まだ下落が止まる兆候は見られません。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。8月の下げ幅は-7.32%と株価指数の中で最も大きく下落しています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-3.55%の下落です。2022年6月から続いているレンジの動きに戻っています。
ラッセル2000の銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合は5割を下回って下落を続けています。このチャートが上昇トレンドに転換して5割(下のチャートでは0以上)になるまで様子見です。
コモデティ先物価格の動向
原油は-1.98%の下落でした。週の後半に持ち直して比較的大きな下ヒゲを付けています。
天然ガスは-7.91%の大きな下げ幅で下落しています。緩やかな上昇トレンドを維持しています。
金は-1.55%の下げで3週連続で強い下落となっています。長期金利と逆の動きとなっており、金利の上昇が止まるまで下落が続く可能性が高いです。
銅は-0.35%の下落でした。週の後半に持ち直して比較的大きな下ヒゲを付けて終えています。今週は少し反発する動きが見られるかもしれません。
小麦は+1.95%の上昇でした。大きな下ヒゲを付けており、上昇に転じる可能性が出てきました。
セクター分析
先週はすべてのセクターが下落しました。他のセクターと比較して下げ幅が小さいのは情報技術、エネルギーです。
業種別のパフォーマンスを確認すると、上昇したのはアパレル小売、電子機器流通、遷移製造、半導体、石炭です。下落している業種の中で特に強い下落となっているのは、医薬品小売、住宅建築、自動車、住宅ローンです。
個別銘柄の動向
先週に上昇した数少ない銘柄は、ソフトウェア(ORCL)、半導体(NVDA、AMAT)、製薬(LLY)、通信機器(CSCO)、アパレル(TJX)、保険(PGR)でした。下落が大きいのはインターネット(META)、自動車(TSLA)、インターネット小売( BABA)、半導体(INTC)、健康保険(CVS)、重機(DE)です。
今週の戦略
長期金利の上昇と株価指数の下落が続いていますので、この流れに変化が見られるまでの間は、先週に続き、ポジションを軽くした状態を維持してスイングトレード対象の銘柄選定を進めつつ、好決算を発表した銘柄を対象に短期トレードをしていきます。
今週は8/23のNVDA決算発表、8/25のパウエル議長会見の後の相場の反応をしっかり確認していきたいと思います。
監視銘柄
先週に続き監視銘柄を大きく入れ替えています。先週の決算発表の結果、セクターのトレンドを確認して強い動きが見られる銘柄を追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算発表
今週はDKS、ANF、NVDA、WDAY、INTUの決算に注目したいと思います。
8/21
- ZM
- FN
8/22
- M
- COTY
- MDT
- MNSO
- CSIQ
- DKS
- BJ
- LOW
- TOL
- URBN
8/23
- WSM
- ANF
- ADI
- NVDA
- SNOW
- NTAP
- ADSK
- SPLK
8/24
- BURL
- MRVL
- AFRM
- WDAY
- INTU
- ULTA