先週はパウエル議長の議会証言でさらなる金利引き上げの可能性が言及され、雇用統計の発表に加え、シリコンバレー銀行破綻などのイベントがありました。
特に銀行破綻の報道を受けて、相場は金利と株価指数が急落し、金価格が上昇するリスクオフ時の反応を見せています。
今週は3/14にインフレ率の発表がありますが、それ以上にシリコンバレー銀行の破綻の余波が、金融、ハイテク(特にIPO銘柄)、バイオテクノロジー等の銘柄にどこまで広がるかに注目したいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
ナスダックの高値–安値銘柄数は大きく下落し、-284まで下げています。ここまで下落するのは昨年の10月以来です。
ナスダック銘柄のうち200日移動平均線を超えている銘柄の割合の推移を確認すると3ヶ月ぶりに50%以下に下落しています。当面は2022年12月の水準をターゲットに下落していく可能性が高いです。
S&P500銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は1週間で急速に低下し、昨年の9月から10月の水準まで下落してきています。過去の動きから短期的な下落が終了して上昇に転換するまで最低でも2週間程度はかかるものと思われます。
VIXは+34.15%と大きく上昇し、大きな上ヒゲをつけて24.79で終えています。一週間で30%を超える上昇は2022年1月以来です。
米国債10年物の金利は-6.4%の下落で2月から始まった短期の上昇トレンドをブレイクしています。
ナスダックは-3.46%下落し、2月の安値を割り込んでいます。他の指数と比べると今のところは比較的崩れが小さいです。
ダウは-4.18%の下落となり、昨年12月の安値を割り込んでいます。
S&P500は-4.20%の下落となりました。2022年から始まった長期の下落トレンドのラインを割り込んでいます。
ラッセル200は-7.8%の下落で、株価指数の中では最も大きく下げています。2021年11月から始まった長期の下落トレンドライン、昨年10月から始まった中期の上昇トレンドラインに到達しています。
原油価格は-4.03%下落し、年初から$73〜$80の範囲で上下を繰り返す動きを継続しています。
天然ガスは-19.24%の下落となり、先々週の安値を試しに行く展開となっています。ダブルボトムを形成して上昇に転じるまで待ちです。
金価格は+0.68%の上昇です。1月末から始まった短期の下落トレンドをブレイクして上昇を開始しました。日足のチャート(2つ目のチャート)で見ると、昨年の11月と同様にダブルボトムを形成しており、上昇していく可能性が高いチャートとなっています。
銅価格は-0.90%の下落で小幅な値動きとなっています。かろうじて上昇トレンドのチャネルの範囲内で推移しています。
小麦価格は-4.16%下落し、2021年の9月の水準まで下がってきました。小さいながらも下ヒゲをつけて終えていますので、一旦反発してくる可能性が出てきました。
鉄鋼価格は+2.83%の上昇で、年初から力強い動きを見せています。
バルチック海運指数は+17.59%の上昇です。下落トレンドをブレイクした後も上昇を続けています。
セクター分析
ディフェンシブ、公共事業を含めてすべてのセクターが大きく下落しています。
特に素材、不動産、金融が非常に大きな下げとなっています。
業種別で見ると、上昇したのは公共電力、ペーパーカンパニー、食料品店のみです。
特に大きく下落しているのは、アルミ、金融市場、放送、石油ガス採掘、ウランです。破綻したシリコンバレー銀行が含まれる地方銀行も大きく下げています。
セクター別、業種別に10%以上下落した銘柄を確認すると、比率が高いのは、セクター別ではヘルスケア、情報技術、金融、業種別ではバイオテクノロジー、地方銀行、ソフトウェアとなっています。
個別銘柄の動向
全体的に下落している中、半導体(INTC、AMD)、コンピュータハードウェア(ANET)、ゲーム(SE)、産業機器(GE)、専門小売(DKS)、地方銀行(BBD)が上昇しています。
下落幅が特に大きい銘柄は地方銀行(SIVB、SBNY、FRC、WAL、SI)、金融市場(SCHW)、ソフトウェア(DOCU、BILL、AFRM)です。
先週は週間で10%以上の上昇があった銘柄は、18件と前の週の180件から大きく低下しました。バイオテクノロジー(SESN、BBIO、GNLX)、ソーラー(MAXN)、ソフトウェア(VERX、ASAN、ASAN、NVEI、SQSP)に上昇している銘柄が見られます。中小型株が8割を占めています。
このような悪い相場環境においても好決算を発表した銘柄については短期的に上昇する反応を見せています。
今週の戦略
先週のシリコンバレー銀行破綻の報道をきっかけにセンチメントが大きく悪化しており、今週以降はしばらく不安定な相場となりそうです。
今週から来週にかけて破綻の影響や範囲が明確となり、相場の方向性が定まるまでしばらくポジションを持たずにデイトレのみで様子見をする予定です。
3/14には2月のインフレ率の発表がありますので、発表後の金利と株式相場の反応を確認していきたいと思います。
監視銘柄
先週は相場全体の下落と共に上昇トレンドが終了した銘柄が多数見られました。それらの銘柄を外して監視銘柄を入れ替えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はGTLB、ARRY、ADBE、TITN、ASOの決算に注目したいと思います。
3/13
- ZIM
- AMLX
- GTLB
3/14
- LEN
- ARCO
- CPRX
3/15
- ARRY
- FIVE
- ADBE
3/16
- TITN
- TRMD
- JBL
- ASO
- JBI
- FDX
- WSM
3/17
- LAC