先週の米国相場は、ハイテク株、ヘルスケアを中心に株価が持ち直す動きが見られ、ダウ、S&P、ナスダック共に上昇しました。
金融引き締めの影響による景気後退の兆候が報道されている中、7/8に発表された雇用統計では、雇用者数は予想より多い結果となりました。失業率は予想通りの結果となり、米国の雇用は想定よりも強い状況です。
コモディティの先物価格は、石油と天然ガスは一旦下落が止まりつつありますが、金属素材は下落を継続しおり、全体として物の価格は下目線で推移しています。
今週は7/13に6月のCPI(インフレ率)の発表が予定されています。7月の利上げのパーセンテージを判断する際の指標の一つになります。相場の急な動きに備えてポジションをやや縮小して臨みたいと思います。
注目のセクターはヘルスケア、バイオテクノロジーが基本路線であることは変わらずです。これに加えて、ソーラー、ディスカウントストア、食品関連のセクターの銘柄も監視していきたいと思います。
それでは、相場環境をチャートと共に振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
VIXは短期の下落トレンドが続いており、3週連続で下落しています。まだ反転の兆候は見えませんが、最近の傾向から4週から5週間の下落後に反発することが多くなっていますので、今週後半から来週にかけて反発してくることを想定して備えておきたいと思います。
米国債10年物の利回りは先週の大幅な下落から一転して力強く反発し、+6.75%上昇しました。5月の安値を割り込まずに反発しています。まだすんなり下落していくわけではなさそうです。
ナスダックは週間で+4.71%となり、6月末の下落を取り戻した格好です。ひたすら下落を続けてきた4月から6月までの動きと比べると、やや流れが変わってきているように見えます。短期的には上昇する可能性が高くなってきていますが、大きな方向は下落トレンドであることは変わっていません。
ナスダックの日足のチャートを見てみると、4月頭から始まった下落のトレンドラインを上抜けていることがわかります。今週、6月の高値の$12,238を超えて上昇していくか、このポイントで反落していくか、注意深く観察したいと思います。
原油価格は週の前半に下落しましたが、週後半に持ち直しています。今週はここから反発して上方向に推移する動きとなるかもしれません。
天然ガスは連続下落は3週間で止まり、+5.31%の上昇となりました。下落トレンドの途中の一時的な反発の動きのように見えます。
金価格は4週間連続の下落となり、-3.29%下げています。5月頭の大幅な下落に次ぐ下げ幅です。
銅価格も-2.28%と下落が続いており、5週連続の下落となりました。週後半にやや持ち直して下ヒゲをつけて終了しています。一旦は下落が止まり、一時的に反発してくることが予想されますが、強い下落トレンドであることは変わっていません。
小麦価格は大きく反発して+5.38%の上昇となりました。ウクライナの戦争をきっかけに急上昇した価格も現在は2022年頭の価格まで戻っており、昨年から続く緩やかな上昇ペースに戻る可能性があります。
セクター分析
セクターの状況を確認していきましょう。
先週は、これまで大きく下落していた、通信サービス、一般消費財、情報技術が持ち直しています。先物価格の下落を受けて、エネルギーと素材は悪いパフォーマンスとなっています。
業種別に見てみると、住宅建築、ソーラー、バイオテクノロジー、住宅ローンが強いです。
ソフトウェア関連の業種も上位に入ってきています。パフォーマンスが悪かったのは、石炭、デパート、海運、金属素材、タバコです。
個別銘柄の動向
次に個別銘柄の動向を見ていきましょう。MSFT、AAPL、GOOG、META、AMZN、TSLA等の大型IT株が力強く上昇しています。この中で特に力強く上昇したのは TSLA です。
ソフトウェア、バイオテクノロジーのセクターは大型から小型まで全体的に上昇しています。逆に、エネルギー、素材は一部の銘柄を除き全面安となっています。
10%超上昇した銘柄は先々週の49件に対して、371件に増加しました。
上位の銘柄を確認すると、20位までの銘柄は+34%以上の上昇となっています。上昇率が高い業種は、バイオテクノロジー、ソフトウェア(アプリケーション、インフラ)でした。これらの業種が半分を占めています。
時価総額は小型が約半分を占めており、中小型株を中心に買われていることが分かります。
今週の戦略
今週は7/13にインフレ率が発表されます。先月の8.6%からやや上昇して8.8%となることが予想されています。発表される数字によって相場の方向性が変わる可能性があります。想定されるシナリオは以下の通りです。
- 予想通りの場合・・・金利、株価共に大きな動きはなし(先週からの動きを継続)
- 予想を大きく上回る場合・・・7月の利上げのペースが強まる想定となり、金利上昇📈、株価下落📉
- 予想を大きく下回る場合・・・7月の利上げのペースが弱まる期待が高まり、金利下落📉、株価はハイテク株を中心に短期的に上昇📈
今週は、3週間連続で下落してきたVIXが今週から来週にかけて上昇に転じる可能性がありますので、CPIが発表される7/13の前日までにポジションをやや縮小して想定外の動きに備えたいと思います。
今週も引き続き、ヘルスケア、バイオテクノロジーの上昇トレンドの銘柄を中心にポジションを構成していきます。ソーラー、ディスカウントストア、食品関連もインフレ率の発表後の値動きを見てエントリーの機会を伺いたいと思います。
また、今週から金融関連の銘柄を皮切りに2022年Q2の決算発表が始まります。特に今後のガイダンスに注目して決算を確認していきたいと思います。
保有銘柄
- HRB 個人向けサービス
- MUSA ガソリンスタンド、コンビニ
- VRTX バイオテクノロジー
- SWAV 医療機器
- LNTH 検査試薬
- GO ディスカウントストア
- UTHR バイオテクノロジー
- RELL 電子部品
- FNKO キャラクター製品
- ATGE 教育
監視銘柄
- ENPH ソーラー
- EVH 医療情報
- SWIR 通信機器
- EXLS 情報サービス
- ELA リサイクル
- OLLI ディスカウントストア
- GIS パッケージ食品
- CI 健康保険
保有・監視銘柄のチャートはこちらです。
来週の決算予定
7/12
- PEP
7/13
- DAL
7/14
- MS
- JPM
- CAG
7/15
- UNH
- WFC
- BANF