先週の米国相場は金利の低下が続いたものの株価指数はダウとラッセルが特に大きく下落し、すべての株価指数が下落しています。
ナスダックとS&P 500は最高値から少し下のあたりにありますが、相場全体の銘柄を見渡してみると下落トレンドの銘柄が増加しています。
好決算で上昇していた銘柄も先週の後半に売り込まれ、食品、飲料、製薬、公益事業などのディフェンシブ系の銘柄に買いが集まる一方で、一般消費財、情報技術の銘柄が大きく下落しており、市場参加者の心理が弱気に傾いていることを示しています。
今週は2/26にNVDAの決算発表があります。発表後の相場の反応をしっかり確認していきましょう。
Now, let's review last week's market by checking the chart.
Last Week in Review
Market environment
米国債10年利回りは、 1.05%の下落で年初からの下落トレンドを続けています。2週連続で下落トレンドラインのブレイクを試みて失敗に終わっており、今のところトレンドが転換する兆候は見られません。
先週VIXは23%を超える上昇でした。ここから上昇トレンドを始める場合は注意が必要です。今週は先週よりも少し注意して相場の動向を確認していく必要がありそうです。
上昇トレインの銘柄数の割合は2月に入ってから下落トレンドを続けています。売られ過ぎの目安となる10%に近づいてきました。トレンドが転換するには通常1〜2週間はかかります。相場全体のトレンドが反転するタイミングを待ちたいと思います。
NASDAQ Analysis
ナスダックの月足チャートを確認すると、2月の現時点の騰落率は+0.65%です。昨年の12月から20466から22139の範囲で上下しており方向性が定まっていない状況です。3ヶ月連続して上ヒゲをつけているような形になっており、天井をつけるときのチャートのパターンを形成しつつあります。
ナスダックの週足チャートです。先週は最高値から-2.39%の下落でした。最高値付近まで上昇すると売られ、下落すると買い手が現れる一進一退の展開が続いています。
ナスダックの高値-安値銘柄数は先週下落してマイナス圏内に入っています。MACDを確認すると、下落が始まる際の初期段階にあるように見えます。
Dow Analysis
ダウの月足チャートです。現時点の2月の騰落率は− 2.56%です。昨年の11月から上昇と下落が毎月入れ替わる展開が続いています。これと同じようなパターンは2021年の終わりごろに発生しています。4ヶ月の間上下を繰り返した後上昇トレンドが終了して、弱気相場が始まるきっかけになっています。
タブの週足チャートです。先週は-2.5%の比較的大きな下落でした。前の3週間のレンジを下抜けており、弱気なチャートになっています。43250を下抜けてさらに下落する場合、しばらく調整が続くことを想定しておく必要がありそうです。
S&P 500の分析
S&P 500の月足チャートと確認すると、昨年の11月から5767〜6129の間のレンジで上下を繰り返しています。月足チャートでは明確なトレンドが出ておらず、レンジ相場になっています。
S&P 500のチャートです。先週はマイナス1.62%の下落で最高値から下落をしています。最高値のブレイクアウトにトライしたのは2回目で今のところ2回とも失敗に終わっています。最高値付近で利益を確定するための売りや、高いバリュエーションから売りを仕掛けてくる勢力がいると思われます。相場全体のトレンドが変わるほどの大きなニュースが出ているわけではなく、売りと買いが拮抗している状態が続いています。
Russell 2000 Analysis
ラッセル2000の月足シートを確認すると、2月の現時点の騰落率は-3.84%になっています。大きな上ひげをつけており、弱気なチャートに見えます。ここからもう一段階下落をする可能性もありそうなチャートです。
ラッセル2000の週足チャートを見ると昨年の12月に反発した50移動平均の水準まで下落してきています。先週はマイナス3.76%と比較的大きな下落になってます。今週以降、50移動平均線を割り込んだところで反発できるかどうかがポイントになりそうです。この水準を割り込んでも反発が見られない場合、しばらく下落が続く可能性が高くなりそうです。
コモディティーの分析
原油は下落トレンドを続けており、2週続けておきな上ひげをつけ上昇に失敗しているチャートなってます。まだ下落トレンドが終わる兆候は見られません。
天然ガスは+13.66%の非常に強い上昇で、直近の高値を上回ったところで売られて終了しています。もう一度上昇トレンドに戻っていく可能性が出てきています。
金は先週は+1.81%の上昇で最高値付近まで戻っています。前週に大きな上ひげをつけて弱気なチャートとなっていましたが、それを打ち消す上昇となってます。先週の高値を上抜けられれば上昇が継続する可能性が高まります。
銅は先週はマイナス2.24%の下落でした。典型的な天井をつけるような動きから短期的な下落が始まっています。当面は下目線で推移しそうです。
Sector Analysis
先週はヘルスケアセクター以外はすべて下落しました。特に下落が大きかったのは、通信サービスと一般消費財です。過去1ヵ月のパフォーマンスを見ると、ディフェンシブ、ヘルスケア、不動産が強く工業、一般消費財、情報技術が悪いパフォーマンスになっています。
業種別パフォーマンスを確認すると、先週上昇しているのはお菓子、飲料、製薬、公共事業などで、リスクオフのときに買われるディフェンシブ系の業種が上がっています。特に大きく下落しているのは、石炭、トラック、ウラン、自動車ディーラーなどで、景気に敏感な業種が売られているように見えます。
Trend of Individual Issues
AAPLを除く大型ハイテク株は軒並み下落し、代わりにBABA、PDD、JDなどの中国株が非常に強い動きを見せています。製薬(NVO MRK ABBV)、バイオテクノロジー(VRTX MRNA)、飲料・食品(PEP MNST STZ HSY)などのディフェンシブ銘柄が買われています。情報技術の中ではアナログ半導体(ADI TXN NXPI)とコンピューター(DELL SMCI)が上昇しています。
Strategy of the Week
ラッセル2000を除く株価指数は最高値付近にありますが、相場全体としては売り圧力が強く、下落トレンドに入っている銘柄が多いです。先週後半にはディフェンシブ銘柄が買われて、それ以外は下落する弱気な兆候が見られました。決算でポジティブなサプライズがあった銘柄も先週後半に売られています。
金利は低下しているものの、VIXが強い上昇を始めようとしており、スイングトレードには厳しい相場環境です。今週は積極的なトレードは控え、相場の雰囲気とトレンドが転換するのを待ちたいと思います。
Swing Trade Monitoring Stocks
先週の決算後に上昇して大きく下落することなく踏みとどまっているADEA CWAN EXEL MELI PEN RBAを監視対象に加えています。
Click here to see a chart of the stocks monitored.
This week's earnings release
今週はNVDA、HD、SNOW、CRMの決算に注目です。
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