ウクライナ戦争の影響により欧州で機運が高まっているロシア産の天然ガスの輸入制限の動きを受けて、液化天然ガス(LNG)の需要が高まっています。アメリカは世界第1位の生産量となっており、欧州への輸出を加速する動きが見られます。
そのような状況において、この記事では天然ガスの液化、輸送、ターミナルのサービスを提供しているニュー・フォートレス・エナジー(NFE)をご紹介します。
天然ガスの世界的な状況
まず、世界の天然ガスに関わる状況を理解するために、最初に各国の天然ガスの生産量を見てみてみましょう。2020年の数字では、アメリカに次いで生産量が多いのがロシアです。2022counter for years (following a number in the hito-futa-mi counting system)5月現在、ロシアに対する制裁強化の一環として欧米諸国は数年かけてロシア産のエネルギーの輸入をゼロにする方針で動いており、ロシアに代わる天然ガスの供給元としてアメリカをはじめとする生産国、エネルギー企業が天然ガスの増産や液化天然ガス(LNG)の輸出増加に向けて設備投資や新たな開発を進めている状況です。
参照URL 天然ガスの各国の生産量 https://yearbook.enerdata.jp/natural-gas/world-natural-gas-production-statistics.html
それでは、このような背景を踏まえ、ニュー・フォートレス・エナジーの事業がどのように成長していける可能性があるのかを確認していきましょう。
ニュー・フォートレス・エナジー NewFortress Energy(NFE)
企業概要
ニュー・フォートレス・エナジーは、ガスから電力への総合的なインフラストラクチャー企業であり、エネルギーと開発サービスを提供しています。ターミナル及びインフラストラクチャー部門と船舶部門の2つのセグメントを通じて事業を展開しています。
ターミナル・インフラ部門は、天然ガスの調達、液化、物流、輸送、設備、天然ガス火力発電の転換・開発など、生産と供給の全チェーンを含みます。このセグメントには、ジャマイカ、プエルトリコ、メキシコ、ブラジルにおけるすべてのターミナル事業が含まれます。また、ブラジルのセルジペ州にある発電所の権益も含まれています。
船舶部門には、Centrais Eletricas de Sergipe S.A.(CELSE)との25年間の定期用船契約など、長期契約またはスポット契約で顧客に貸与されるすべての船舶が含まれます。また、Hilli号の所有・運航会社であるHilli LLCへの投資もこのセグメントに含まれます。
事業拠点
ニュー・フォートレス・エナジーが持っている拠点は以下の地図にあるように、これから経済が大きく成長しガスの需要が高まっていくことが期待される中南米に集中しています。その他、スリランカ、アイルランドにも拠点を持ち事業を展開しています。
事業環境
現在のエネルギー危機はウクライナ戦争により悪化の一途を辿っており、農産物の高騰、インフレ、気候変動に対する活動の低下が懸念されています。この影響は非常に大きく、長期的に続く可能性があります。
エネルギー価格は2021counter for years (following a number in the hito-futa-mi counting system)1月と比較して、2022counter for years (following a number in the hito-futa-mi counting system)5月時点で以下のように価格が高騰しています。
- ディーゼル 3倍
- 原油(ブレント) 2倍
- 天然ガス(オランダTTF) 4.5倍
- 天然ガス(米国ヘンリーハブ)3.3倍
- 石炭 4倍
注力事業
このような状況でニュー・フォートレス・エナジーはFSRU, ,Fast LNG、水素の3点に注力する方針を打ち出しています。
FSRU
First,FSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)については、世界的に30隻が不足する見通しの中、現時点では各社から準備できる見込みとして報告されている数字は18隻となっており、FSRUの供給が著しく不足している状況It is.
FSRUとは何かはこちらをご参考に。
商船三井のFSRU https://www.mol-service.com/ja/service/fsru
ニュー・フォートレス・エナジーでは現在保有している7隻のFSRUに対して、新たに2隻を追加する計画を進めています。世界のFSRUの17%のマーケットシェアを有しています。
Fast LNG
次に、Fast LNGの事業です。
Fast LNGは海上にあるガスの採掘施設上にガスのモジュールタイプの液化装置を設置します。
これにより、陸上に新たにガス液化施設を建設するよりも、より短期間で、安価に、そして安全に液化施設を構築できることが期待されています。通常の陸上の施設では、60ヶ月かかるところを18ヶ月から30ヶ月に短縮することができます。
現在、コンゴ、米国ルイジアナ州、テキサス州の3つのFast LNGプロジェクトが進行しています。コンゴの施設は2023年後半に稼働開始, ,ルイジアナ州沖の施設は4月に許認可の取得完了、テキサス州沖の施設は数年後の稼働開始を見込んでいます。
最初のFast LNGの施設は2023年より稼働予定となっており、2025年には2023Year.10倍以上の生産量に達する計画It is.
水素事業
最後に水素事業への取り組みです。
こちらはまだ準備段階の事業となりますが、水素生産に必要な電解装置の提携、再生エネルギー発電施設ポートフォリオの構築、水素製造施設を建築するサイトの手配、人材獲得を進めています。
近々、米国のガルフコーストで最初のプロジェクトを開始し、資金調達を進めます。その後、数ヶ月で施設建築サイトを確定してパートナー企業との提携を固める計画です。2023年以降に水素ハブのポートフォリオを構築し、米国内で最も大きいクリーン水素の事業を展開することを目標にしています。
決算内容
2022counter for years (following a number in the hito-futa-mi counting system)Q1の決算では、EPSが大きく予想を上回り、売上についても昨年同期と比較して247%増The first two are the following.
- EPS⭕️ $1.13 vs 予想 $0.47
- 売上⭕️ $505.1M vs 予想 $501.72M(前年比247%増)
調整EBITDAも大きく成長しており、2021年通期の$605Mに対して2022年通期では$1B超えを計画しています。
株価チャート
2月末から出来高の増加と共に株価の上昇が始まり、4月に一旦ピークをつけました。その後、調整の下落から戻ってきて、5月13日現在で再度高値を伺っている状況It is.
売上、EPSの急速な成長が2021年Q4の決算から始まっており、売上は345%→246%で拡大しています。
Conclusion.
ニュー・フォートレス・エナジー(NFE)は欧米諸国の脱ロシアの流れを追い風に、液化天然ガスの新たな供給元の一つとして重要な役割を果たしていくことが期待されます。Fast LNGの事業が計画通り進んでいくことが条件になりますが、2023年以降に急速に生産量を拡大して成長していく可能性を秘めています。リスクはありますが、大きな成長の可能性がある興味深い投資先です。
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