今回は、企業のシステムのクラウド化、リモートワークの広がりと共に重要性を増しているクラウドセキュリティのソリューションを提供するゼットスケーラー(Zscaler ティッカーシンボル ZS)についてご紹介します。皆様の銘柄選定の参考になれば幸いです。
ゼットスケーラー Zscaler(ティッカーシンボル ZS)
ビジネス概要
ZScalerは、クラウドを基盤とした各種アプリケーションを安全に利用できるようにするネットワークセキュリティのソリューションを提供する企業です。クラウドプラットフォームであるZscalerZero Trust Exchangeを使用して、4つの統合された包括的なソリューションを提供しています。
- Zscaler Internet Access (ZIA)を使用した安全なインターネットアクセスとSaaS。
- Zscaler Private Access (ZPA)を使用した社内アプリケーションへの安全なアクセス。
- Zscaler Digital Experience (ZDX)を使用したユーザーからアプリケーションへのエクスペリエンスの管理と強化。
- Zscaler Cloud Protection (ZCP) によるクラウド環境の保護。
2007年に設立され、主要オフィスはカリフォルニア州のサンノゼに構えています。2020年時点の従業員数は2020名です。
近年、エンタープライズアプリケーションは急速にクラウドに移行し、イノベーションの加速、コストの削減を実現しています。ユーザーは、あらゆるデバイスから、世界中のどこからでも、アプリケーションとデータにアクセスできることを期待しています。
ネットワークに関係なく、ビジネスポリシーを使用してユーザー、デバイス、およびアプリケーションを安全に接続する新しいアプローチであるZeroTrust Exchangeを開発しており、これにより、従来のオンプレミス型のセキュリティアプライアンスが不要になります。
大企業にを中心に4,500を超える顧客がおり、現在、フォーブスグローバル2000の450を超える企業が顧客となっています。
Zscalerのプラットフォームは、競合他社および潜在的な競合他社が提供する多くの製品を統合しており、これが差別化の要因となっています。Microsoft、Amazon Web Services、CrowdStrike、SentinelOne、vmware、Okta、Box、ServiceNow等のベンダーとの連携およびパートナー関係を構築しています。
例えば、CrowdStrikeとの連携では、CrowdStrikeが実行されていないデバイスからのアクセスは許可しない等のポリシーに基づいたアクセス制御や、CrowdStrikeでマルウェアが検出された際に、ZScalerダッシュボードから状況を確認し、デバイスをネットワークから排除する等の連携が可能です。
セキュリティ技術やスタートアップ企業が多くあるイスラエルにR&Dセンターを設立しています。
2021年にセキュリティ関連のスタートアップ企業Trustdome, Smokescreenを買収して、提供サービスの拡充を図っています。
- Trustdome・・・パブリッククラウド環境におけるアクセス管理のソリューションを提供。
- Smokescreen・・・サイバー攻撃の脅威予測、侵害対応等のサイバーセキュリティプラットフォームを大手金融機関等に提供。
クラウドセキュリティの市場規模は$72Bを見込んでおり、長期的にはさらに市場規模が拡大していくと予想されます。
売上の半分を北米、残りを欧州、中東、アフリカ、アジアで構成しています。
競合他社
セキュリティベンダー、ネットワークベンダー等の競合他社の中で、2020年にガートナーの調査において、セキュアウェブゲートウェイの唯一のリーダー企業となっています。
ITセキュリティベンダー
- CheckPoint Sofware Technologies Ltd.
- Fortinet, Inc.
- Palo Alto Networks, Inc.
- Broadcom
ネットワークベンダー
- CiscoSystemc, Inc.
- Juniper Networks
その他
- FreEye, Inc.
- Forcepoint Inc.
- Pulse Secure, LLC
数値指標
- Market Capitalization: $39.4B
- Price/Earnings: –
- Forward P/E: 605.05
直近の決算結果
2021年3Q (2021年4月30日)
- 売上: $176.4M vs 予想 $163.7M (昨年対比60%増)
- EPS: $0.15 vs 予想 $0.07
2021年ガイダンス
- Revenue 660M – 664M (53% – 54%)
- Operating profit 71M – 72M
- EPS 0.47
株価チャート
Conclusion.
Zscalerは以下の理由から今後も継続的に成長していく可能性のある良い投資先と考えます。
- Zscalerは競争が激化しているクラウド環境におけるネットワークセキュリテイの分野のトップ企業として先頭を走っています。
- M&AやイスラエルR&Dセンターの開設などにより提供サービスの拡充を積極的に進めています。
- 各種クラウドプラットフォーム、クラウドアプリケーション、セキュリティ関連サービスを提供する他社と非常にうまく連携するパートナーネットワークを構築していることが非常に大きな強みであると思います。
9/9に2021年4Qの決算発表を予定しています。その結果も確認した上で、引き続き投資を検討していきたいと思います。