I looked into Datadog, Inc. (DDOG), a SaaS provider of IT system monitoring.
データドッグ Datadog (DDOG)
ビジネス概要
DatadogはITシステムの運用チーム、開発者、ビジネスユーザー向けの監視、分析を行うSaaSプラットフォームを提供しています。インフラ監視、アプリケーションのパフォーマンス、ログ管理、セキュリティ監視をリアルタイムに統合された状態で確認することができます。アプリケーションの開発者と運用者が協力できるようにすることを目的にDatadogを始めました。
これまでの簡単な歴史は以下の通りです。
- 2010年にデータインテグレーションのプラットフォームを開始。
- 2012年にクラウドを基礎としたアーキテクチャの増加に伴いインフラ監視のサービスを開始しました。
- 2017年に分散されたマイクロサービスのアーキテクチャに対応するため、アプリケーションパフォーマンス監視の製品をリリースしました。
- 2018年には上記の3つのサービスを統合し、さらにログ監視を追加しました。
- 2019年にはエクスペリエンス監視、ネットワークパフォーマンス監視を追加。
- 2020年にはセキュリティ監視を追加し、リアルタイムにサイバー攻撃を検知できるようにしました。さらに、Continuous Profiler、Incident Managementを追加し、事故発生時のワークフローと共同作業を行うための機能を強化しています。
Datadogのソリューションの強みは以下です。
- クラウド上のインフラをターゲットに構築されており、マイクロサービス、コンテナ、サーバーレス・コンピューティング等に対応しています。
- 450種類以上の様々なシステム、アプリケーション、サービスと連携できるようになっており、カスタマイズ可能なダッシュボードにより、すぐに利用を開始することができます。
- インフラ監視、アプリケーションパフォーマンス監視、ログ管理、ユーザーエクスペリエンス監視、ネットワークパフォーマンス監視を1つの統合されたプラットフォームにまとめられており、効率的に管理することができます。
- 開発者と運用者が共同作業できることを目標に構築されており、ビジネスのて全体的なパフォーマンスを向上させることができます。
- 複数のクラウドサービス、オンプレミスのサーバー等をあらゆる環境に対応することができます。
- 強力な分析機能、機械学習の機能を搭載しており、異常値を検出して通知することができます。
従業員数は2185名(2020年12月31日時点)、28カ国で勤務しており、37%が米国外、そのうち42%はフランスで働いています。
Gartnerによると、IT運用管理の市場規模は2024年には$44Bに達すると見込まれています。
競合他社
- オンプレミスのサーバー環境については、IBM、Microsoft、Micro Focus International plc、BMC Software, Inc.、Broadcomが競合になります。
- アプリケーションパフォーマンス監視の領域では、Dynatrace Software Inc.、NewRelic, Inc.、Cisco Systems, Inc.と競合します。
- ログ管理については、Splunk Inc.、Elastic N.V.が競合になります。
- クラウド監視については、Amazon Web Services、Google Cloud Platform、Microsoft Azureが競合となり得ます。
数値指標
- Market Capitalization: $42.50B
- Price/Earnings: –
- Forward P/E: 348.64
直近の決算結果
2021年2Q
- 売上: $233.5M vs 予想 $212.5M(前年同期比67%増)
- EPS: $0.10 vs 予想 $0.03
株価チャート
2021年2Qの決算発表を受けて大きな出来高と共に15%上昇し、その後も上昇トレンドとなっています。
実際に使ってみました
実際にDatadogにサインアップして、Linuxのサーバーにエージェントをインストールしてみました。
セットアップしたい環境を一覧から選択して、コマンドを一つ実行するだけで完了し、早速、ダッシュボードでサーバーを監視できる状態になりました。非常に簡単にセットアップができるように良く考えられて作られていますね。
Conclusion.
以下の理由からDatadogは中期・短期的な視点では良い投資先と考えます。
- 昨今、ITシステムが安定して稼働すること、問題が発生した際にすぐに対応できることは、企業の存続に関わる重要な課題となってきており、ITシステムを総合的に監視し、運用効率を高めることに貢献できるソリューションは今後も需要が高まっていくことが期待されること。
- データインテグレーションから始まって、その後、時代の流れに沿って積極的に新しい顧客からの需要を取り込んで成長してきている実績があること。
- ITシステム管理の市場は、米国外にも大きな成長余地があり、地域や文化に大きく依存せずに展開できる可能性のあるソリューションであること。
長期的には、Amazon、Microsoft、Google等のクラウドインフラの提供者が同等のモニタリング機能を開発し、リリースしてくる可能性があることが最も大きなリスクとして考えられるため、これらの企業の動向を見ながら投資していきたいと思います。
今後、競合他社のDynatrace($DT)についても調べて戦略やアプローチの違いを比較してみたいと思います。