はじめに
今週(2025年6月2日週)の米国市場は「慎重な強気」。株価指数は再び最高値をうかがう動きですが、金利と市場の広がり(マーケットブレス)が完全に味方しているわけではありません。そこで今週は
- 大型テックなど質の高い銘柄を中心に押し目買い
- 不安定になったらすぐ守りを固める
- 銅・ウランなどテーマ性のある資源株をアクセントとして少量組み入れる
という三本柱で攻めと守りのバランスを取りに行きます。兼業トレーダーの方でも朝と引け後の2回だけチェックすれば回せるよう、具体的な時間と手順もまとめました。
1. 今の相場をひとことで
- 金利:10年債利回りは4.4%前後で高止まり。4.5%を超えると株は重くなる、4.1%を割れば一段高のチャンス。

- 恐怖指数(VIX):20を下回り落ち着きつつあるが、23を超えれば警戒。

- 市場の広がり:上昇中の銘柄数はまだ少なめ(約2割)。指数ほど足並みはそろっていない。

→ 結論:買い目線だが、フルスロットルには早い。ポジションは最大でも資金の8割までに抑える。
2. シナリオ別の動き方
| 状況 | 目安となるサイン | やること | 例となる銘柄・ETF |
|---|---|---|---|
| 通常モード | 10Y金利4.1〜4.5% & VIX17〜23 | 押し目で大型ハイテクをコツコツ買い | MSFT, NVDA, AAPL, QQQ |
| 一段高 | 10Y<4.1% or VIX<17 | 小型株やIWMにも広げて強気をプラス | IWM, URA, FCX |
| 警戒モード | 10Y>4.6% or VIX>26 | 指数ヘッジ・金鉱株シフト | SDS, DOG, GLD, GDX |
3. 今週動きが出やすいエリア
- テクノロジー:まだ資金が集まっている。ブレイク追いより“押し目買い”で。目安は20日移動平均線。
- 不動産(REIT)・ユーティリティ:金利ピークアウト期待でリバウンド。守りを兼ねたインカム狙いに。
- ウラン・銅:資源循環テーマが再燃。ウランETF(URA)や銅大手(FCX)が候補。

4. 今週のウォッチリスト
| 区分 | ティッカー | 狙い | 利確/損切りの目安 |
|---|---|---|---|
| 決算プレイ | AVGO, LULU, DOCU(6/6発表) | ORB※で短期トレード | +3~5% / VWAP割れ |
| 押し目買い | QQQ | S&P6,000相当の押し目 | +2% / -1.5% |
| テーマ株 | FCX, URA | 銅4.86突破、ウランETF27ドル押し目 | +8~10% / -4% |
| 守り | XLU, SPLV | VIX急騰時の避難先 | +2~3% / -1% |
| ヘッジ | SDS, DOG | 金利・ボラ急騰時 | 指数▲2%到達時に利益確定 |
※ORB:寄り付き5分の値幅ブレイクで仕掛ける短期ルール。

5. 1日2回だけで回すチェックリスト(太平洋時間)
| 時間 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 6:30 AM | 10Y利回り・VIX・マーケットブレスを見る→“通常/一段高/警戒”を判定 | ロットを自動計算すると楽 |
| 1:00 PM | 当日決算・経済指標を3行でメモ→翌日の決算を確認 | 翌日用の指値・逆指値をセット |
6. 先週からの変更点まとめ
- ポジション上限:70% → 80%(流動性回復)
- 金利トリガー:4.3%→ 4.1%(サポートが下がった)
- セクター比率:テック比率80%→ 70%、ディフェンシブ10%新設
- ウランを新規強気テーマ:資金流入トップのため追加
おわりに
今週は「押し目買い+迅速なリスク管理」が鍵です。兼業でも再現しやすいよう、チェック時間と手順を固定しました。
金利と恐怖指数が揃って改善するまでは、欲張らずにコツコツ利益を積み上げていきましょう。

