1. マクロ環境・市場全体の分析
■ 金利・債券(米10年債利回り)
- 4.11~4.50%レンジ内で推移し上昇基調。直近は4.45%付近でやや強含み。
- 4.50%超えると株に逆風、4.11%割れるとリスクオン加速。
- 現状は「やや警戒感残しつつも、市場は一時的にリスク選好が強まっている状況」。

■ VIX(恐怖指数)
- 17台まで急低下。過去半年の安心ゾーン。
- リスクオンだが、過度な安心感は要警戒。突発イベントに備え損切りルール徹底を。

■ 株価指数・マーケットブレス(市場の強弱感)
- S&P500/Nasdaq/Dow/Russell2000いずれも強い反発。重要な移動平均線を明確に上回る。
- マーケットブレス・アップトレンド比率も底打ち反転。全体の流れは「押し目買い優位」。
- ただし急騰の後は一旦調整も入りやすく、短期的な利確ポイントも意識。

■ コモディティ(原油・天然ガス・金・銅)
- WTI原油:直近で下げ止まり、反発の兆し(61~65ドルが目安)。短期ロング狙いも。
- 天然ガス:大きな下髭で反発。短期反発は継続する可能性。
- 金:高値圏から押し目中(3,200ドル割れが押し目買いゾーン)。
- 銅:調整中ながら、中長期的な底堅さ意識(EV・AI関連で需要期待)。
■ セクター・テーマ・個別
- テクノロジーが圧倒的強さ。次いで消費・金融・工業も回復。
- NVDA、AMD、AAPL、MSFT、TSLAなどグロース・AI関連主導の週。
- 小型株(Russell2000)も本格回復の兆し。
- 弱いセクター:ゴールドマイナー・医療プラン(UNH, ELV, CVS等)。
■ 決算スケジュール
- 今週も重要決算が続く(TJX, TGT, PANW, SNOW, WDAY, DE等)。決算発表直後のギャップアップ/ダウンを狙う短期戦略も引き続き有効。
2. 先週までの戦略の評価・見直し【比較】
- 先週の戦略
- 「CPIなどイベント前に慎重、押し目はテック中心」「マーケットブレス回復傾向なら徐々にリスクテイク」「VIX上昇・金利上昇ならディフェンシブ転換」
- 基本シナリオは「レンジ継続または緩やかなリスクオン」だったが、実際は強いリスクオン加速が現実化。
- 見直しポイント
- テック偏重でもOKだったが、全体のマーケットブレス回復・小型株復活にもう少し早く対応できたかが今週の反省点。
- VIX低下・金利上昇の中で「短期の利確」と「押し目拾い」の両立が重要。
- 決算サプライズ銘柄のスイングは引き続き有効。
3. 今週(5/19-5/23週)のトレード戦略
【基本方針】
- リスクオン(押し目買い中心)継続。ただし急騰後の一時的調整リスクにも注意。
- Fed関係者の発言が多いため、金融政策の方向感に注目。
- 重要指標(PMI、新規失業保険申請件数、新築・中古住宅販売)発表前後はボラティリティ増加に注意。
- セクター分散を意識し、テック一辺倒から景気敏感株への資金シフトも視野。
■ シナリオ別アクション
【シナリオ1】金利・VIX安定、マーケットブレス改善 → リスクオン継続
- テック・グロース銘柄の押し目買い(NVDA, AMD, MSFT, AAPL, SMCIなど)
- 小型株・景気敏感(RUT, 工業, 金融, 消費)にも資金シフト
- 決算後ギャップアップ銘柄のスイングトレード継続
- 部分利確でキャッシュ確保、次の押し目に備える
【シナリオ2】経済指標弱く、金利低下・景気不安 → 一時的調整
- 主力株・テックは利確優先
- ディフェンシブ(HDV, SPLV, KO, WMT, TJX等)や現金比率アップ
- 急落時は段階的な押し目狙い/リバウンドで再エントリー
- ストップロス・トレーリングストップ厳守
【シナリオ3】金利急騰・金融政策懸念強化 → リスクオフ加速
- 新規買いは一時停止、既存ポジの損切り徹底
- 超短期債ETF・現金・ゴールドの比率を増やす
- 逆張りは急がず底打ち確認まで待機
■ 個別戦略・セクター別方針
- テクノロジー/AI関連:短期利確+押し目追加。トレンド転換シグナル出たら一部撤退。
- 小型株・インフラ:マーケット・ブレス回復なら追随可。RUT2,000突破で継続的に資金シフト。
- エネルギー・素材:WTI・銅反発なら短期で乗る。原油60ドル割れは損切り徹底。
- 金・ゴールドマイナー:押し目(3,100~3,200)でのみ分散的に買い。トレンド転換まで深追い禁物。
- 医療・ディフェンシブ:短期調整色強く、押し目のみ拾う。全体がリスクオフ時に厚めに持つ。
■ 兼業投資家向け実践アクション
- 毎朝の市場環境チェック
- 米10年債利回り・VIX・主要指数の移動平均線・マーケットブレス確認をルーチン化。
- イベント前はポジションを減らす/損切りルール厳守
- 兼業は放置リスク大。ストップ注文を必ず活用。
- 週次でセクター分散比率の見直し
- テクノロジー一極→景気敏感株やETFも組み合わせ、過度な偏り回避。
- 決算発表銘柄の値動きに素早く反応(5分レンジブレイク/リバーサル狙い)
- 時間外急騰銘柄をリストアップ、当日の初動のみ参戦が◎。
- 週末はポジションの棚卸・含み損益の管理
- 来週の戦略修正につなげる。
4. 今週の注目イベント・銘柄
- 5/19(月)米景気先行指数
- 5/22(木)新規失業保険申請件数、米製造業・サービス業PMI、中古住宅販売
- 5/23(金)新築住宅販売
- Fed関係者スピーチ多数(金融政策方向感に注目)
- 主要決算:TJX, TGT, PANW, SNOW, WDAY, ROST, INTU, ADSK ほか
- マーケット・ブレス/アップトレンド比率の持続性に注目(全体上昇なら強気維持)
まとめ(今週のキーメッセージ)
- リスクオン地合いもイベントリスクに要注意。
- 「押し目拾い・利確・分散投資」徹底。
- Fedスピーチや経済指標発表に機動的に対応。
- テック中心から景気敏感株への分散強化。

