3行まとめ
- 環境判定:10年債4.0%付近(4.12%の下)× VIX16台=リスクオン追い風。ただしBreadthは~20%台で“細いラリー”続行。
- 戦術:**押し目中心+ヘッジ5–8%へ縮小。決算トリガー(5分ORB)と強いテーマ(大型テック/銅)**に集中。
- 配分:コア指数50–55%、ハイテク・クオリティ12–15%、素材(銅)8–10%、ウラン5–7%(押し目限定)、ヘッジ(GLD/GDX + SH/SDS)5–8%。先週の配分・スイッチ設計を踏襲し微修正。
先週の振り返り(検証 & 反省)
良かった点
- “押し目中心・追いは薄く”:NASDAQ100は25,000前後、S&P500は6,753の壁を意識する設計が奏功。押し目帯(NDX 24,1xx/23,7xx、SPX 6,6xx→6,53x)の分割エントリーが機能。
反省点
-
コモディティのダウンサイド管理が甘い
金(先物)が週次で急落したのに、ヘッジ目的のGLD比率を機械的に維持し、パフォーマンスの足を引っ張った。またWTIの+7%超の自律反発は「戻り売り前提」に固執し過ぎ、短期リバ取りの機会損失。 -
決算トレードの“翌日継続”設計不足
5分ORB当日は運用できたものの、Day2の継続パターン(前日高値越え・Inside Day上放れ)への再エントリー条件が未整備で、強い銘柄(APHなど)の伸びを捕まえきれず。
マーケット・ダッシュボード(10/25引け 週足スナップ)
金利/ボラ/Breadth
- 米10年債:週足で4.0%近辺。上は4.17%→4.36%→4.50%が節目。4.12%を下回る位置はリスクオンだが、“悪い低下(景気減速)”の可能性にも留意。

- VIX:16台。<17はリスクテイクを後押し、23/26は警戒・強警戒ライン(過去レポートで採用)。

- Breadth:上昇トレンド比率~20%台で“細い”まま。トレンドは下落から上昇に転換。0.30超えが改善確定のサイン。

指数(週足)
- NASDAQ100:25,360で高値更新。押し目候補24,150→23,750。

- S&P500:6,791(6,753上抜け)。押し目6,600→6,530。

- Dow:47,206(47,094上)。押しは45,421/44,831。

- Russell2000:2,510(2,500ブレイク試し)。押しは2,408/2,322。

コモディティ/テーマ
- Gold(先物):4,398→4,138へ反落。4,086/4,000/3,915が押し目帯。追いは慎重、ヘッジ枠で。
Copper:5.12。4.83維持→5.21がレジスタンス。>5.21で順張り。 
- Uranium(URA):55.7で上ヒゲ、51.5へ押し。51–52/46–47が押し目帯。

- WTI:61台へ自律反発も下落トレンドの戻りに留意(上は65.3/70.7)。

セクター&業種(直近)
- 1W:エネルギー / テック / 工業が上位。素材はやや弱、公益・生活必需は小幅安。
- 1M:ヘルスケア / ユーティリティが上位、エネルギーはマイナス圏。

- 業種:半導体装置・アルミなど上位、金・銀は大幅安(先週の巻き戻し)——金属は選別。
数字で切り替える“スイッチ設計”(10Y 4.12/4.36/4.50/4.60、VIX 17/23/26、Breadth 0.30/0.40)は、6月以降のレポートで統一して運用。今週も同じ数値でいきます。
今週(10/27週)のシナリオ別アクション
A) ベース(採用)— 選別的リスクオン(確率:中)
条件:10Y 3.88–4.17–4.36%/VIX 16–20/Breadth ~0.20横ばい。
行動:
- ロット上限 70–75%へ微増(先週65–70%)。
- 押し目買い:NDX 24,150→23,750、SPX 6,600→6,530で分割。
- ヘッジ 5–8%(GLD/GDX 3–5% + SH/SDS 2–3%)。
- タクティカル:大型ハイテク銘柄は決算当日の5分ORB、ユーティリティ/REITをクッション。
B) リスクオン拡大(確率:低〜中)
条件:10Y <4.12% & VIX <17 & Breadth >0.30、かつ SPX 6,753↑で週足確定。
行動:
- ロット 80%上限へ。QQQ/IWMを薄く上乗せ。
- 素材強気:COPX/FCX(ただし5.21ブレイク後に順張り)。
- ウラン:URA 51–52押し限定で追加。 (モンティの米国株)
C) リスクオフ(確率:低)
条件:VIX>23 もしくは 10Y 4.36→4.50%反騰、または SPX<6,526。
行動:
- ロット 40–50%へ即縮小、SDS/DOG 1–2%追加。
- エネルギーは戻り売りor回避(WTI下落トレンドが残る)。 (モンティの米国株)
※スイッチ群と閾値は6–8月レポの共通ルールを継続(VIX/金利/Breadthで機械的にロット調整)。
指数別トレード・プラン(週足/忙しい方向け)
- NASDAQ100:買 24,150→23,750/追随 25,360高値更新は少量/撤退 23,740割れ。
- S&P500:買 6,600→6,530/追加 6,753ブレイク定着/撤退 6,526割れ。
- Dow:買 47,094を支持に反発確認/目標 47,800–48,200/撤退 46,000割れ。
- Russell2000:買 2,500ブレイク定着で打診ロング/目標 2,560–2,600/撤退 2,407割れ。
コモディティ/素材テーマの戦術
- Gold:4,086–4,000押しでのみ追加→4,213~4,405で分割利確。役割は“ヘッジ”。先週は金・銀が業種ワーストで、追いの優先度は低い。
- Copper:4.83維持なら買い直し、5.21上抜けで順張り強化(個別はFCXを決算後に)。
- Uranium(URA/CCJ):51–52/46–47押し限定。直近の上ヒゲ後は追わない。
- WTI:61→64–65が壁、59.8割れは撤退(戻り売り優先)。
セクター配分(10/27週)
| ブロック | 目安比率 | 中身/メモ |
|---|---|---|
| コア | 50–55% | VOO/QQQ(指数は20–21EMA上の間は維持)。 |
| ハイテク・クオリティ | 12–15% | MSFT/GOOGL/NVDA/AAPL等は押し目限定。 |
| 決算銘柄 | 3–4% | META/AMZN/AAPL/COIN/RDDT/GLW:決算日の5分ORBのみ。 |
| 素材(銅・アルミ) | 8–10% | COPX/FCX。5.21ブレイク確認で増やす。 |
| ウラン | 5–7% | URA/CCJは押し目限定。 |
| ユーティリティ/低ボラ | 6–8% | XLU/SPLV。VIX上昇時のクッション。 |
| ディフェンシブ | 4–6% | KO/PG/XLP。今週は決算絡みも。 |
| ヘッジ | 5–8% | GLD/GDX + SH/SDS(VIX>23 or SPX<6,526で増量)。 |
今週の主なイベント & 決算(抜粋と戦い方)
ビッグウィーク:
- 水 After:Meta・Microsoft・Alphabet
- 木 After:Amazon・Apple・Coinbase・Reddit・Western Digital・MicroStrategy
- 金 Before:ExxonMobil・Chevron・AbbVie・Linde ほか
基本ルール:決算当日の5分ORB(寄り後5分レンジ)で短期勝負 → +3~5%で半分利確、VWAP割れ撤退。強ガイダンス×良需給(半導体装置・産業資本財)はスイングに格上げ。
兼業トレーダーの“2回チェック”運用(固定ルーチン)
- 寄付き前(米国西海岸 06:30/日本22:30):10Y・VIX・Breadthでシナリオ判定→ロット&ヘッジを機械的に調整。
- 引け前(米国西海岸12:45/日本04:45):逆指値/トレーリング更新、翌日の注文をセット。
リスク管理ルール(再掲・厳守)
- 1銘柄リスク=口座0.5%上限。
- VIX ≥23 または 10Y ≥4.36→4.50%でロット半減+ヘッジ導入。
- Breadth <0.12は逆張りのみ(ロット30–40%)/>0.30で循環拡大へ。
- レバETFは資金の30%以内。ビッグイベント前はポジション縮小。
※これらの閾値は6–8月の標準フレームを継承(10Y 4.12/4.36/4.50/4.60、VIX 17/23/26、Breadth 0.30/0.40)。
まとめ
- 金利とVIXは追い風だが、Breadthは依然“細い”。
- 先週の方針(押し目中心 × ヘッジ常備 × ブレイクは薄く)をヘッジ5–8%に微修正し、選別的リスクオンへ一歩前進。
- 数字で切り替える運用――10Y(4.12/4.36/4.50/4.60)× VIX(17/23/26)× Breadth(0.30/0.40)――を今週も機械的に遵守。
※本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。損切り・OCO・ポジションサイズのルール化を必ず。兼業最適化は**「朝一&引け前の2回運用」**が基本です。

コメント