2025-07-21週 米国市場トレード戦略 – Breadth拡大フェーズ初動をどう攻めるか

投資戦略

1. 先週の振り返りと相場環境(2025-07-14週)

先週の米国株市場は、Breadth(上昇銘柄比率)が0.6台に到達し、いよいよ“細いラリー”から“広がるラリー”へのシフトが現実味を帯びてきました。

短期的にはハイテク主導の上昇が続いたものの、中小型株や景気敏感セクターでも資金の流れが強まりつつある印象です。

Breadthインデックスの背景色もピンクから白へと転換し、200日MAのトレンド転換(青三角)も目前。

米10年債利回りは4.4%前後で膠着、VIXは16台とリスクオン環境が続いています。

  • S&P 500
  • Russell 2000

2. テクニカル・マクロ環境まとめ

  • Breadthインデックス:8MAが0.62まで上昇
    • ハイテク一強から、Russell2000・素材株・循環株への資金循環が本格化し始めた兆し。
    • 200日MAはまだ“谷間”だが、今週~来週にも青三角(底打ちサイン)が点灯する可能性。
  • 米10年債利回り(US10Y):4.4%台で持ち合い
    • 金利が4.36%を下抜ければ株式リスクオン、逆に4.5%突破でPER圧迫の警戒感。
  • VIX:16台で安定
    • <17ならリスクオン継続。17.5を超える急騰には即ヘッジ対応を。
  • コモディティ:銅・ウラン・金がテーマ株として再び脚光
    • 銅は5.2を上抜けて景気敏感株に追い風。ウランETFは一段高、金も底堅い。 
    • ウラン
  • 決算ウィーク入りでボラティリティ上昇に注意
    • TSLA、GOOGL、TXN、LMT、RTXなど、主力&セクター牽引役の決算が集中。

3. Breadthの転換サインと投資戦術

Breadth拡大フェーズ=「循環相場への扉が開いた週」

8MAが0.60を超え、背景色も白に転換したことで、いよいよ“細いラリー”から“裾野の広がるラリー”への転換が視界に入ってきました。

過去データを振り返ると、8MA > 0.60 & 200MAが底入れシグナルを示す局面は、ラッセル2000や循環株が本格的にパフォーマンスを伸ばす局面と重なります。

ただし、8MAが急落し始める場合は“ダマシ”も多いため、ポジションの厚みには段階的に強弱を付けるのが安全策。

戦術ポイント(今週のスタンス)

  • IWM・循環株の押し目は買い、強い銘柄のブレイクに素直に追随
  • Breadth8MAが0.55を割れば一度リスクオフ、200MAの上昇開始で本格拡大
  • 決算プレイはハイテク・インダストリアル中心に、ギャップアップ&出来高増加に注目
  • VIX17.5、US10Y4.5%を超える急変には即座にヘッジ・利確対応

4. 注目テーマ・セクターと決算イベント

セクター強弱・テーマ別戦略

セクター モメンタム 投資戦術例 注目ティッカー
半導体 ★★★ TXN, NXPIの決算→反応次第で短期SOXL NVDA, AVGO, TXN, NXPI
インフラ/AIソフト ★★☆ GOOGL, NOW, ORCLは押し目のみ GOOGL, NOW, ORCL
インダストリアル ★★☆ LMT, RTXの決算ギャップに注目 LMT, RTX, GE, ETN
小型循環株 ★★☆~★★★ Breadth強ならIWMの押し目&スクリーニング強化 IWM, URTY
コモディティ ★★★ 銅5.2維持でFCX, SCCO、ウランはURA押し目買い FCX, SCCO, URA, CCJ
ゴールド ★★☆ 3,200上維持ならDCA継続 GLD, GDX
エネルギー大型 ★☆ 65$防衛確認まで様子見 XOM, CVX

主要決算(7/21週)

  • 7/22(火) LMT, KO, TXN, NXPI
  • 7/23(水) GOOGL, TSLA, IBM, GE, RTX, NOW
  • 7/24(木) INTC, NOK, DECK, FLEX
  • 7/25(金) HCA, CNC, AN


5. 今週の戦術まとめ(チェックリスト付)

トリガー管理

  • US10Y 4.36%割れ:リスクオンロング維持
  • US10Y 4.50%超え:ハイテク比率減・ヘッジ強化
  • VIX 17.5超え:全体ロットを2–3割縮小&SDS/SHでヘッジ
  • Breadth8MA 0.55割れ:循環株新規建て停止・既存も3割利確
  • Breadth8MA 0.65超+200MA上昇開始:ロング最大化

兼業トレーダー向け 行動フロー

  1. 月曜朝 Breadth速報値・US10Yチェック
  2. 毎晩 決算カレンダー・ギャップアップ候補のリストアップ
  3. 水曜夜 Breadth8MA再計算・IWM出来高注視
  4. 金曜引け後 Breadth & VIX週足記録

6. 結論

今週はBreadthインデックス背景も“白”へ転換し、8MAが0.60超え──まさに“広がるラリー”への入り口。

200日MAの底入れ転換サインも目前であり、循環株・小型株の押し目やブレイクアウト局面を積極的に拾いたい局面です。

一方で、決算発表によりボラティリティも上昇しやすく、急落や急騰には即時対応する“機動力”が必須。Breadthや金利、VIXの定点観測を欠かさず、柔軟なポジション調整で乗り切りましょう。

“三角点灯前夜”の広がりを取る。先回りしすぎず、だましも警戒しつつ、Breadthを味方につけて攻めと守りのバランスを!

 

 

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