【米国株】先週の振り返りと今週の戦略(2025年5月12日週)

週間振り返り

1. 先週の米国相場をチャートで振り返る

先週の米国相場は4月の急落からの落ち着きを見せました。ブレッドス(市場全体の強弱感を示す指標)は回復方向に転じ、米10年債利回りは4%前半のレンジで推移しました。ただし、S&P500は-0.41%とやや軟調、Russell2000は小幅な+0.33%上昇でした。

各チャートで確認するべきポイント:

  • 米10年債利回り(4.38%):重要レンジ(4.11%〜4.50%)内で推移。
  • VIX指数(21.9):警戒ライン(20〜26)内で推移。
  • S&P500(5,664):抵抗ライン5,706を超えられず。


2. 今週の相場シナリオと戦略

マクロ&テクニカル概要

  • 米10年債(4.38%):ウェッジ(値動きが徐々に狭まり、その後大きく動くことが多いチャートパターン)を上抜け後の戻り試し中。4.50%超えは株式市場に圧迫、4.11%割れはリスクオン加速。
  • VIX指数(21.9):現在20を超えてやや警戒状態。20割れは市場が落ち着き株価が上昇しやすく、26超えは投資家の不安が高まり株価が下落しやすい。
  • WTI原油(61):急激な下落後の反発局面。65–66$までの上昇余地はあるが、その後は売り圧力が予想される。
  • 天然ガス(3.8):価格が上昇方向へ転じて買いが優勢となる強気の兆候。ターゲットは4.5$付近。
  • 金(3,344):引き続き上昇トレンドを維持。3,205$付近で押し目買いのチャンスを検討。

決算後ギャップアップ(PEAD)監視リスト

ティッカー 発表日 サプライズ プレ・マーケット 戦術
WMT 木BMO +8%想定 要確認 最初の5分間の値動き(オープニングレンジ)を基準にトレードし、損失の許容範囲を平均的な1日の値動き(ATR)分とする戦略
CSCO 水AMC ±2% ギャップダウンリバーサル候補(決算直後に株価が大きく下落した場合、一時的な売られすぎによる反発を狙う戦略)
DE 木BMO -1% 米10年債利回りが上昇すると株価が下がりやすくなるため、その場合はトレードを見送る戦略

※自動スクリプトは現地市場オープンの9分前に実行し、最大6銘柄を選択してトレードを実施。損切りラインは取得価格から3%下に設定し、当日中に利益が出た場合は半分を利益確定し、残りはスイングトレード(短期的に数日間保有する戦略)として継続保有します。

今週の米国市場のシナリオは以下の3つです。

  • シナリオ1:レンジ継続 — 米10年債利回りが4.11%〜4.50%内で推移し、株式市場は緩やかに上昇。
  • シナリオ2:リスクオン加速 — CPIが市場予想より低く、利回りが4.11%を下回ることで株価が大きく上昇。
  • シナリオ3:リスクオフ — CPIが市場予想を超え、利回りが4.50%を超えて上昇。株式市場は調整局面へ。

今週の米国市場は水曜日に予定されているCPIと小売売上高の発表が焦点となります。相場の動きが大きくなる可能性があるため、事前にポジション調整が重要です。

今週のトレード方針

  • S&P500:強めロング、5,580–5,600で仕込み、ターゲットは5,706 → 5,886、損切りラインは5,520以下。
  • Nasdaq100:ロング、19,950–20,050で仕込み、ターゲットは20,945 → 21,180、損切りラインは19,750以下。
  • Russell2000:積極ロング、1,990–2,010で仕込み、ターゲットは2,100、損切りラインは1,978以下。
  • WTI原油:スイングロング、59–60、損切りラインは58$以下。
  • :中核ロング(中期~長期的な視点で安定的に買い持ちする戦略)、3,260–3,300、損切りラインは3,100$以下。
  • 天然ガス:スイングロング、3.60–3.70、損切りラインは2.98$以下。

重要イベント

  • 火曜(5/13)CPI発表(5:30 PST)
    • 月曜の引けまでにポジションサイズを調整し、発表に備える。
  • その他、注目決算:WMT、CSCO、DEなど。

リスク管理

  • CPI発表日は相場が大きく動きやすいため、損失が膨らまないよう損切り注文(ストップロス)を調整。
  • VIXが20以上の場合、市場が不安定なため資金の合計額を口座資産の1倍以内に抑える。
  • 金曜(5/16)は月次オプション満期日(OPEX)のため、ボラティリティに注意。

決算後のスイングトレード候補(Watchlist 2025-05-10)

決算発表後のスイングトレードとして注目している銘柄です。決算内容やチャートの形状を見ながら、反発や継続的なトレンドを狙ってトレードします。

  • 注目銘柄リスト
    • AGX, ATGE, ATI, AXON, CRS, DAVE, DUOL, EHC, FCFS, FIX, HALO, LOAR, LYFT, MELI, MTZ, MYRG, NFLX, NOW, OI, OSCR, PODD, SEZL, SSRM, STNE, SXT, TEX, TMDX, TPC, TRV, TTD, WOR
  • 🆕 新規追加銘柄
    • ATGE, DAVE, HALO, LYFT, MELI, OSCR, PODD, SEZL, TMDX, TPC, TTD

各銘柄の決算発表後の値動きを確認し、トレンドが明確になったものから順次トレード候補として検討します。


3. 兼業投資家のための週末チェックリスト

― 所要時間 5 分で完了 ―

  • 10 年債利回り — キー水準(4.11%/4.50%)の突破を確認。
  • VIX指数 — 20割れ(リスクオン)、26超え(リスクオフ)の確認。
  • S&P 500の50日移動平均線 — 50日移動平均線より上をキープしているか確認。
  • マーケットブレス — マーケットブレスの8MAが上昇を維持しているかチェック。

Tip: これら4指標を毎週確認することで、相場環境の変化を早期に把握できます。


最後に

来週はCPIや小売売上高の発表が控えており、市場が大きく動く可能性があります。シナリオを明確にしておけば、冷静な判断が可能になります。週末の5分の準備が、来週のパフォーマンスを支えます。柔軟かつ慎重にマーケットに向き合いましょう。

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