先週の米国株相場をチャートで振り返る
先週の株式相場は明確な反転シグナルが発生しました。10年債利回りは4.3%台でやや上昇、VIX指数は22付近で安定的に推移しましたが、原油価格は下落しエネルギーセクターが大きく調整しました。一方、金価格は高値圏を維持。セクター別ではテクノロジーと工業が強く、エネルギーが弱い展開となりました。
米国債10年利回りはトレンドラインまで下落したところで反発して4.308%まで上昇。
VIXは-8.74%の下落で22台まで低下。このまま20を下抜けるか、26まで再上昇するかを監視。
マーケットブレスは明確に反発。V字回復するケース、ある程度戻したところで再度下落して2番底を目指すケースの両方を想定。
情報技術、工業、通信サービスが先週の上昇を牽引。過去1ヶ月ではエネルギーが大きく下落。
今週の相場シナリオと戦略
今週以降の相場は以下のようなシナリオを想定しています。
シナリオ① 回復基調が継続する場合(可能性:中)
- 条件:10年債利回りが4.1%以下で安定、VIXが20を割り込み、主要指数が50EMAを突破。
- 対応戦略:QQQ、XLKなどテックETFを小幅調整時に段階的に追加検討。
シナリオ② レンジ相場が継続し二番底を模索(可能性:高、基本シナリオ)
- 条件:主要指数が50EMAで反落、経済指標(ISMサービス、PMI)軟調。
- 対応戦略:テック系ETFは利益を部分的に確定し、ディフェンシブな低ボラティリティETF(SPLV、HDV)や高配当バリュー株(KO、WMT、TJX)を増やす。
シナリオ③ 調整局面が再び強まる場合(可能性:低)
- 条件:利回りが4.36%以上に上昇、VIXが26を突破し主要指数が50EMAを明確に割れる。
- 対応戦略:リスクの高い銘柄から速やかに資金を引き揚げ、キャッシュ比率と超短期債ETF(VRIG)への資金移動を進める。
今週の特に重要なイベント
- FOMC政策発表(5月7日水曜14:00)
- 発表前は保守的なストップ設定を推奨。発表直後の値動きで柔軟にポジション調整。
- 注目の決算発表銘柄
- 火曜引け後:Supermicro (SMCI)、AMD
- 水曜寄付き前:ウォルト・ディズニー (DIS)
- 木曜引け後:Shopify (SHOP)、メルカドリブレ (MELI)、Coinbase (COIN)
決算トレード注目ポイント
銘柄 |
着眼点 |
トレードの目安 |
SMCI |
ギャップアップ後の初動 |
5分のオープニングレンジ突破後、成行で検討(VWAP割れ撤退) |
AMD |
データセンター成長 |
ギャップを埋めた後、15分高値更新で検討 |
DIS |
動画配信の収益改善 |
ギャップダウン時、VWAPを上抜け後に検討 |
今週のスイングトレード候補
- AI・データセンター関連:Supermicro (SMCI)、AMD、Alphabet (GOOG)、ServiceNow (NOW)
- インフラ・建設関連:Carpenter Tech (CRS)、ATI、MasTec (MTZ)、MYR Group (MYRG)
- ディフェンシブ&高配当銘柄:Travelers (TRV)、TJX Companies (TJX)、Coca-Cola (KO)
兼業投資家のための週末チェックリスト
週末に必ずチェックしたいポイント(5分で確認可能)
- 10年債利回り(特に4.11%と4.36%の水準)
- VIX指数(注目ポイントは20と26の水準)
- S&P 500の50日移動平均線
- マーケットブレス(市場全体の強弱感)
最後に
今週はFOMCや主要企業の決算が重なる重要な週です。相場は想定外の動きをすることもありますが、事前にシナリオと戦術を整理しておくことで、感情的なトレードを避け、冷静に対応できます。
週末の少しの準備が、来週のパフォーマンスを大きく左右します。柔軟かつ慎重な姿勢でマーケットに臨みましょう。
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