先週の米国相場は半導体、ヘルスケアがナスダック、S&P500の上昇を牽引し、新高値を更新した一方で、エネルギーや中小型株が下落しました。週替わりで上昇するセクターが入れ替わりつつも相場全体としては上昇を続けています。
コモディティの先物では原油、金、銅などの金属素材が下落しており、景気に敏感なセクターに少し弱い動きが見られます。
今週はCPI、PPIの発表と共に、6/12にFOMCの議長会見が予定されています。インフレの動向、利下げの見通しを確認して相場がどのように反応していくのかを観察したいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは-1.49%の下落でした。一旦大きく下落した後に上昇して下ヒゲを付けており、短期的に上昇する可能性が高いチャートとなっています。先週の高値の4.5%の水準を超えていく場合は、上昇していく確率が高くなりそうです。
VIXは-5.42%の下落でした。3週間連続で上ヒゲをつけるローソク足となっています。週の前半に株式の売り手が優勢となった後に買い手が増加して持ち直す展開となっており、やや買い手が優勢な状態で売りと買いが交錯しています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。6月に入って1週間が経過して+2.56%の上昇となっています。
ナスダックの週足チャートです。先週は+2.56%の上昇で最高値を更新しました。強い上昇トレンドが続いています。
ナスダックの高値–安値銘柄数は緩やかな下落を続けており、マイナス圏に入っています。ナスダックの指数が上昇する一方でこちらの数字が下落していますので、ナスダックの全体の銘柄で見ると下落している銘柄の数が増えていますが、一部の時価総額の大きな銘柄が上昇を牽引している、という状況であることが分かります。少し注意して推移を見守る必要がありそうです。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。現時点の6月の騰落率は+0.20%で横ばいとなっています。
ダウの週足チャートです。先週は+0.20%で小さな十字線となっています。下ヒゲをつけて安値を切り上げる動きとなっていますので、短期的には上昇が見込めるチャートとなっています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。6月の現時点の騰落率は+1.11%です。
S&P500の週足チャートです。先週は+1.11%の上昇で最高値を更新しています。ナスダックと同様に強い上昇トレンドを継続しています。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。6月は-2.26%の下落でスタートしています。株価指数の中では唯一下落しています。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-2.26%の下落でした。2024の水準を割り込んで下に行く場合は、短期的に下落が進む可能性が高い弱気なチャートとなっています。
コモディティ先物の分析
原油は-2.29%の下落でした。週の前半に大きく下落した後に持ち直して下ヒゲをつけています。4月から始まった下落トレンドを継続しているものの73付近で強い買い手が現れて持ち直す動きが見られます。
天然ガスは+12.79%と強い上昇でした。底打ちの動きが進行中で2.967を上に抜けて維持できる場合は上昇していく可能性が高そうです。
金は-0.89%の下落でした。週の前半に上昇しましたが、その後に反落して比較的大きな上ヒゲをつけています。2.28の水準を割り込む場合は短期的に下落する可能性が高いチャートとなっています。
銅は-2.57%の下落でした。3週間連続で比較的大きな下げとなっています。まだ下落が止まる兆候は見られません。
セクター分析
先週は情報技術、ヘルスケア、通信サービスが上昇を牽引し、エネルギー、公益産業、素材が大きく下落しました。週替わりで上昇するセクターと下落するセクターが入れ替わっています。
業種別のパフォーマンスを確認すると、先週は半導体及び半導体装置に強い上昇が見られました。下落が大きかったのは、ペーパーカンパニー、公益電力、空港、金属素材、石油採掘でした。
個別銘柄の動向
先週は、全体として上半分が上昇して下半分が下落する動きとなっています。力強く上昇しているのは、ソフトウェア(ORCL、CRWD、NOW、UBER)、半導体(NVDA、TSM、AVGO、ARM)、半導体装置(ASML、AMAT)、インターネットコンテンツ(META、PINS)、インターネット小売(AMZN)、製薬(ABBV、LLY、MRK)、バイオテクノロジー(NVO、VRTX)でした。大きく下落しているのは、ディスカウントストア(TGT、DG)、石油(XOM、CVX、BP)、銅(SCCO、FCX)、住宅建築(LEN、DHI)、公益事業(NEE、GEV)でした。
今週の戦略
先週の米国相場は大型株を中心に、半導体、ヘルスケアが指数の上昇を牽引しているものの、水面下では下落している中小型株が多くなっています。相場全体を眺めると完全に強気にはなれないですが、相対的に強い業種の上昇している銘柄に乗って短期のトレードをしていくのが良さそうです。
監視銘柄
決算発表後に強い動きを見せているCRWD、HPE、PSTG、TMUSを監視対象に追加しています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週、特に注目している銘柄はAPP、AVGO、CRWDです。
今週の決算予定
今週はAVGO、ORCL、ADBEの決算に注目です。
6/10
- FCEL
- CVGW
- YEXT
6/11
- ASO
- LILM
- ZK
- CASY
- ORCL
- RBRK
6/12
- ZH
- AVGO
- CURV
- OXM
- PLAY
6/13
- KFY
- LOVE
- SIG
- WLK
- ADBE
- RH