先週の米国相場は長期金利、VIXが上昇し、株価指数の調整下落が続きました。特に年初から力強い上昇を続けてきた半導体関連の銘柄が大きく崩れ、ナスダックは昨年の10月以来の5%を超える大きな下落となりました。
4月に入ってから3週間連続で株価の下落が続き、昨年の10月と同等の水準まで短期的に売られ過ぎの状態となっています。
株価指数が下落を続ける中、金、銅などの金属素材は継続して買われて上昇しています。こちらはやや買われ過ぎの水準に到達しているように見えます。
今週はTSLA、META、MSFT、GOOGの決算発表があります。弱気に傾いた相場全体の流れを覆すような決算発表後の動きが見られるか、または決算発表後にさらに相場の雰囲気が悪化して下落が続いていくのかに注目したいと思います。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
米国債10年物の利回りは+2.14%の上昇でした。3週間連続で強い上昇が続いています。まだトレンドが転換する動きは見られません。
VIXは+8.09%の上昇でした。大きな上ヒゲをつけていますが、まだ上昇トレンドを継続しています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。4月の騰落率は-6.64%に達しており、2月と3月の上昇を打ち消す強い下落となっています。
ナスダックの週足チャートです。先週は-5.38%の強い下落でした。一週間で5%を超える下落は2022年10月以来です。
ナスダックの高値–安値銘柄数はマイナス圏内で下落トレンドを継続しています。先週の後半に小さな反発が見られます。昨年の10月頃と同等の水準まで下落したところで買い手が現れています。今後の数週間から数ヶ月で底打ちしてトレンドが上昇に転換していく可能性が高くなってきているように見えます。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。4月の騰落率は-4.50%となっています。2022年末の高値付近まで下がったところで反発しています。
ダウの週足チャートです。先週は+0.03%の上昇で横ばいとなっています。先週は一旦大きく下落して年初の価格まで到達した後に力強く反発して大きな下ヒゲをつけています。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。4月の騰落率は-5.35%の下落となっています。
S&P500の週足チャートです。先週は-3.06%の大きめな下落でした。3週間連続で下落し下げ幅が加速しています。過去数年のチャートを振り返ると3週間連続して下落した翌週には一旦反発する傾向が見られます。
ラッセル2000の分析
ラッセル2000の月足チャートです。4月の騰落率は-8.05%まで拡大しています。月間の下落が8%を超えるのは弱気相場の最中の2022年9月以来です。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は-2.73%の下落でした。3週連続の大きな下落で年初の価格まで戻しています。
コモディティ先物の分析
原油は-3.91%の下落でした。2週間前に一旦上昇が加速しましたが、2023年末から開始した上昇トレンドのチャネルの範囲に戻っています。
天然ガスは-1.02%の小幅な下落でした。2月以降は小さな値幅で停滞しています。
金は+1.67%の上昇でした。前週に上ヒゲをつけてやや弱いチャートとなっていましたが、それを打ち消す強い動きとなっています。
銅は+5.61%の非常に強い上昇でした。強い上昇トレンドとなっていますが、上昇が加速し過ぎているように見えます。
セクター分析
先週は公益事業、ディフェンシブ、金融が上昇し、情報技術、一般消費財が大きく下落しました。調整局面に見られる典型的な動きとなっています。
業種別のパフォーマンスを確認すると、強い上昇が見られたのは健康保険、航空、タバコ、農産物、パッケージ食品となっており、ディフェンシブ色の強い業種に投資資金が流れています。下落が大きかったのは、半導体、半導体装置、REIT、自動車でした。
個別銘柄の動向
先週は大型から小型までハイテク銘柄を中心に下落が進みました。特に下落が目立つのはNVDA、TSM、AVGO、ASML、AMATなどの半導体関連の銘柄です。その他にはMSFT、AAPL、META、AMZN、TSLAなど時価総額の大きな銘柄が下落しています。
過去数週間の間に良い決算を発表したWFC、AXP、MS、GS、UNH、ELV、UAL、ALKなどに強い上昇が見られます。
今週の戦略
年初から強い動きが続いていた半導体銘柄も下落が始まり、最後の砦が陥落したような形となっています。直近の数週間の調整局面では年初からの上昇幅が大きかった銘柄が特に売られる傾向が見られます。株価指数は2023年10月頃と同じレベルまで売られ過ぎの状態になっており、割安と見て買い始める勢力が出てきています。4月に入ってから3週間連続で強い下落が続いており、今週は一旦大きく反発する動きが見られるかもしれません。ただし、4月で調整局面が早期に終了すると考えているわけではなく、調整か横ばいの期間は5月に入ってからも続く可能性も想定しておきたいと思います。
今週はTSLA、META、MSFT、GOOGなどの大型株の決算が目白押しです。決算発表後の相場の反応によって今後の株式相場全体の方向性がある程度見えてくると思います。良い決算もしくは、さほど悪くない決算なのに株価が下落する銘柄が多い場合は弱気なシグナル、ほんの少しのポジティブな要素でも株価が上昇する銘柄が多い場合は強気のシグナルと判断できます。
今週はまだVIXの上昇トレンドが続いていますので、注目銘柄の決算発表後の相場の反応を確認し、VIXが下落トレンドに転換して相場の雰囲気が変わるのをじっくり待ちたいと思います。
それまでの間は、トレード数とトレードのサイズを減らして、決算発表後に短期的に上昇が見込める銘柄に対する短期のスイングトレード(1週間以内)のみに限定したいと思います。今は自分のスイングトレードのやり方には適した相場ではありませんので我慢の時です。
スイングトレード監視銘柄
今週は比較的大きく監視銘柄を入れ替えています。決算発表後の動きが良かったAXP、BK、BMI、ELV、OZK、調整局面で持ち堪えているTXRHを追加しています。
今週は監視銘柄の決算発表後の動きをしっかり確認して行きたいと思います。
- 4/23 SPOT
- 4/24 VRT NOW
- 4/25 ALSN DXCM
監視銘柄のチャートはこちら。
今週、監視銘柄の中で特に注目しているのはAXP、BMI、CCJ、OSCR、OZK、TXRHです。
今週の決算発表
今週は CDNS、SPOT、TSLA、META、GE、NOW、MSFT、GOOG、KLAC の決算に注目です。
4/22
- AZZ
- NUE
- CDNS
- SSD
- CR
- MEDP
- AMP
4/23
- WRB
- PHM
- SPOT
- SHW
- FI
- RTX
- GE
- GM
- STX
- CB
- MANH
- STLD
- TSLA
- WFRD
4/24
- GD
- OC
- LII
- TMO
- ODFL
- HLT
- MAS
- APH
- VRT
- BSX
- META
- IBM
- ROL
- CLS
- WM
- CMG
- PFSI
- URI
- ALGN
- RJF
- NOW
- LRCX
- OII
4/25
- TW
- DOV
- AOS
- HP
- TXT
- TSCO
- AIT
- LECO
- GWW
- FTI
- VLO
- MSFT
- GOOG
- DXCM
- COF
- FICO
- APPF
- TFII
- ALSN
- SKYW
- KLAC
- FTAI
- SSNC
4/26
- ALV
- SAIA
- BALL
- PSX
- ACMR