先週の米国相場は、週の前半は長期金利が上昇を続け、株価指数は下落しましたが、週の後半に長期金利の上昇が落ち着くと共に株価指数はナスダックを中心にやや反発して終えています。
コモディティの先物価格を確認すると、天然ガスが大きく上昇し、それに伴い石炭関連の銘柄が力強く上昇しています。アルミ価格も先週から強い上昇が見られ、関連銘柄が上昇し始めています。金は過去一年で見て最大の一週間の下落幅となっています。
投資家心理が弱気に傾き、相場全体としては売られ過ぎの水準に達していますが、まだ下落から上昇に転じる明確な兆候は見られません。スイングトレードのポジションは小さい状態を維持して様子見です。
それではチャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
投資家心理の動きを確認すると、強気な投資家が31.3%から27.8%まで減少し、弱気な投資家が34.6%から40.9%まで増加し、投資家心理は大きく弱気に偏ってきました。
米国債10年物の利回りは+3.13%と大きく上昇しました。週の後半に下落し、少し大きめな上ヒゲをつけていますが、週足チャートでは上昇トレンドは崩れていません。
VIXは大きく上下しながらも最終的には+1.86%の上昇で終えています。
ナスダックの分析
ナスダックの月足チャートです。9月の下落幅は-4.93%でした。
ナスダックの週足チャートです。先週は+0.23%と小さな値動きでした。8月の安値に到達したところで反発してやや上昇して終えています。
ナスダックの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、-35付近まで下落したところから反発してきました。
ナスダックの高値–安値銘柄数は、前週の-135から-49まで上昇してきました。まだ上昇に転じたとは言えない状態ですが、ポジティブなサインです。
ダウの分析
ダウの月足チャートです。9月の下落幅は-3.51%でした。
ダウの週足チャートです。先週は-1.31%の下落でした。小幅ながら上昇したナスダックとは対照的な弱い動きです。
ダウの銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄数は下落を続け、2023年3月以来初めて売られ過ぎの水準の-35を割り込んでいます。まだ反発する兆しは見られません。
S&P500の分析
S&P500の月足チャートです。9月は-4.83%の下落で終えています。
S&P500の週足チャートです。先週は-0.67%の小幅な下落でした。4200の手前で反発して下ヒゲをつけています。
S&P500の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は下落を続け-35を割り込んでいます。まだ反転する兆しは見られません。
ラッセル2000の分析
ラッセルの月足チャートです。9月の下落幅は-6.35%で株価指数の中で最も大きな下落となりました。
ラッセル2000の週足チャートです。先週は+0.19%の小幅な上昇でした。
ラッセル2000の銘柄のうち50日移動平均線を超えている銘柄の割合は、下落が止まり小さく反発してきました。
コモディティ先物の分析
原油は+0.47%と小幅な値動きでした。2022年9月と10月に上昇を抑えられていた水準の93を超えたところで下落し、上ヒゲをつけて終えています。
天然ガスは+11.07%の強い上昇でした。6月から9月にかけての横ばいをブレイクアウトし、上昇トレンドを再開しています。8月の高値の3.18に到達しそうな勢いです。
金は-4.09%と大きく下落しました。-4%を超える下落は2021年6月以来です。6月と8月の安値を割り込んで下落トレンドを開始しています。
銅は+1.12%の上昇でした。2023年5月、8月、9月に反発する動きが見られた3.61付近の水準で買われて反発しています。ここまで下がると買いを入れてくる勢力がいるようです。
アルミは+3.87%と力強く上昇しました。3.5%を超える上昇は2023年1月以来です。上昇トレンドを開始しそうなチャートに見えます。
小麦は-6.56%の大きな下落でした。5月の安値を割り込んで下落トレンドを継続しています。
セクター分析
先週はエネルギーが大きく上昇、情報技術が小幅に上昇し、公益事業、ディフェンシブ、不動産、金融が下落しました。特に公益事業の下落が大きいです。
業種別に見ると、エネルギーの中でも石炭が力強く上昇しました。その他には放送、医薬品小売、教育サービス、デパート、靴、産業流通、アルミが上昇しています。一方、大きく下落したのは、金と公益事業全般です。
個別銘柄の動向
強い上昇が見られたのは、半導体(NVDA、AMD、INTC)、自動車メーカー(TSLA、RIVN、XPEV、PSNY)、靴(NKE)、石油ガス(EQT、EOG、OXY)、鉄(STLD、CLF)です。大きく下落した銘柄が集中しているのは、公益事業(NEE、SO、DUK)と金(FNV、NEM、GOLD)です。
今週の戦略
季節的に弱い動きとなることが多い9月が終わり、今週から年末に向けて比較的強い相場となることが多い10月が始まります。
9月末時点で株価指数は短期的に売られ過ぎの水準まで下落してきています。ナスダックの一部の銘柄は反発を始めていますが、投資家心理は弱気派が増加傾向で相場全体としてもまだ明確な反転の兆候は見られません。引き続き現金比率を高めた状態を維持して、相場全体の上昇が始まるのを待ちたいと思います。
監視銘柄
先週、決算発表後に上昇したMLKN、JBL、FERG、MU、力強く上昇を始めたACMR、RIVN、PLTR、GRPNを監視対象に加えています。
監視銘柄のチャートはこちら。
今週の決算予定
今週はAEHRの決算に注目したいと思います。
10/3
- MKC
- CALM
10/4
- HELE
- RPM
- TLRY
- ACCD
10/5
- CAG
- LW
- AEHR
- LEVI