先週の米国相場は、全体的には、ディフェンシブ、ヘルスケアが買われ、景気に敏感な銘柄が売られる景気悪化時の動きが見られました。
11/16にMicron Technologyのメモリ製品の減産を発表したことを受けて半導体および半導体装置の銘柄が急落した一方で、好決算を発表したソーラー、通信機器、ディスカウント店、アパレル小売店などは大きく株価を伸ばしています。
インフレ下においてもアパレルや靴などの小売が強かったのは少し予想外でした。今後、消費の落ち込みは、2022年Q4の決算でコンピューター、家電製品などの生活に直結しないところから始まり、その後に衣食住に関わる小売業に低迷の波が遅れてやってくるのかもしれません。
相場全体としては景気が弱くなっていくことを意識しながらも、今後の成長が期待できる銘柄にはしっかりと買いが入っている印象です。
現時点では、相場全体の方向性を注意深く見つつ、引き続き、上昇トレンドの好決算銘柄に資金を集中して、短期で利確していく戦略を継続するのが良さそうです。
それでは、チャートを確認しながら先週の相場を振り返っていきましょう。
先週の振り返り
相場環境
ナスダックの高値–安値銘柄数はマイナス圏に戻りましたが、下落傾向にはならずに踏みとどまっています。今週にプラス圏内に復帰できるか注視していきたいと思います。
VIXは+2.57%とやや上昇したものの下落トレンドを維持しています。先週と同様に反発してきてもおかしくない位置にいますので、今週もVIXの動きを注意して見ていきたいと思います。
米国債10年利回りは-0.49%と小さな下落となっています。下ヒゲをつけて終了しているので、一旦、下落トレンドのチャネルの範囲内で反発してくる可能性がありそうです。
ナスダックは-1.01%と小幅な下落となりました。このまま上昇を続けるのか、下落に転じるのか、方向性はまだ定まっていないように見えます。
ダウは-0.06%と横ばいです。ナスダックと同様に方向性は定まっていないように見えます。
原油価格は-9.87%と直近の安値を切り下げて大きく下落しました。今週は9月の安値を割り込んでさらに下落していくかどうかを注意して見ていきたいと思います。
天然ガスは+7.21%と大きく上昇しました。10月以降ボラティリティの高い値動きとなっています。短期的には10月の反発から開始した上昇トレンド中ですが、大きな流れは8月から始まった強い下落トレンドであり、下落方向への圧力が優勢に見えます。
銅価格は-7.19%と前の週の上昇分をすべて吐き出すところまで下落しています。下落の勢いが強いため、今週も下落が続く可能性が高いチャートとなっています。
金価格は-0.85%下落しました。上ヒゲをつけて終えており、11月前半から始まった上昇の勢いは短期的には衰えているように見えます。
小麦価格は+1.01%と小幅な上昇です。10月に開始した下落トレンドのチャネルの範囲で推移しています。
セクター分析
先週のセクターの動きを見ると、ディフェンシブ、ヘルスケア、公共が上昇し、それ以外は下落しています。景気が弱いときに買われるセクターが良いパフォーマンスとなっています。原油、金属の先物価格の下落を受けて素材とエネルギーの下げ幅が大きくなっています。
業種別に見ると、ソーラー、通信機器、再保険、アパレル小売、医薬品流通が良いパフォーマンスとなっています。2022年Q3の決算発表が良かった銘柄が属するセクターのパフォーマンスが良い傾向があります。
個別銘柄の動向
全体的な傾向はセクター・業種の傾向を反映して、製薬(MRK、BIIB、JNJ)、通信機器(CSCO、CLFD、HLIT、SATX)、保険(RNR、RE、WRB、KNSL、AJG)、医薬品流通、(MCK、ABC、CAH)、アパレル小売(TJX、ROST、GPS)、ディスカウントストア(WMT、DG)、パッケージ食品(GIS、CPB、MGPI、FLO)が良いパフォーマンスとなっています。
その他は、バークシャー・ハサウェイの大量購入が報告された半導体製造のTSMや、中国銘柄(BABA、PDD、JD、BIDU)が強い傾向です。
時価総額の大きな銘柄では、AMZN、TSLA、NVDA、CRM、TGTが弱いです。
週間で10%以上の上昇が見られた銘柄は39件と先週の721件と比較して大きく減少しました。バイオ、通信機器、ソーラーに強い動きの銘柄が見られます。11/7週とは異なり時価総額は小型、中型が主体となっています。国別で見ると米国以外の銘柄の比率が高くなっています。
今週の戦略
11月に入ってからの相場を見ていると、決算発表で大きなポジティブサプライズがあり、ガイダンスが上方修正されて成長を続ける見込みの高い銘柄だけが上昇を続ける傾向が強くなってきているように思います。
現時点では、小売セクターの銘柄が強い傾向が見られますので、銘柄の追加を検討していきたいと思います。現時点で注目しているセクターは、ソーラー、半導体、通信機器、バイオ、靴・アクセサリーです。
基本方針は変わらず、決算発表後に上昇している銘柄を中心にエントリーし、こまめな利確を繰り返していきます。
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決算発表でポジティブサプライズがあり、新高値を力強く更新していく銘柄に集中的に資金を投入する。
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保有銘柄は決算発表前日までに手仕舞い、決算を確認してから再エントリーするかどうかを決める。
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まだ弱気相場の終了が確定したわけではないので、10%〜20%の早めの利益確定を繰り返していく。
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50日移動平均線を超えている銘柄の割合が増えてきたら警戒レベルを上げてポジションを減らす。
保有・監視銘柄
11/18時点の保有・監視銘柄の一覧です。緑の丸をつけてあるものが保有銘柄です。
保有・監視銘柄のチャートはこちらです。
今週の決算予定
今週はSNEX、AFYA、DY、ROAD、CSIQ、DLTR、DEの決算に注目したいと思います。
11/21
- SNEX
- AFYA
- URBN
- SJM
- A
- ZM
- DELL
- ZTO
11/22
- DY
- ROAD
- CSIQ
- DLTR
- DKS
- JWN
- TDCX
- TNP
- BBY
- BURL
- HPQ
- VMW
- ADSK
- ADI
11/23
- DE