先週の米国相場は上下に激しく動いた難しい相場でしたね。
5/4のFOMCの利上げの発表後にNASDAQが力強く反発しましたが、翌日には米国債10年物利回りが急騰し、NASDAQは前日の上昇分をすべて取り消してそのまま下落が続いています。一方、原油価格の値上がりと共に石油関連の銘柄は上昇が継続しました。
今週は5/11に4月のインフレ率が発表されます。この数字によって6月以降のFRBの動き方が変わってくる可能性がありますので要注目です。
今週もエネルギー銘柄を主体に小さめのポジションでトレードの機会を探っていきます。監視対象の銘柄はセクターの分析結果から絞り込んでいますのでご参考に。
それでは、先週の相場環境、セクター動向を振り返ってみましょう。
先週の振り返り
相場環境
NASDAQの週足チャートを確認すると、5/4のFOMCの利上げの発表後に一時的に急騰しましたが、最終的に3月の安値を切り下げています。12000〜12200あたりで一旦反発するかもしれませんが、その後はさらに下げていく可能性が高そうなチャートとなっています。
VIXは先週の前半に下落トレンドに入りかけましたが、週後半に大きく上昇し、再度上昇トレンドに入っています。動きが読みづらい展開ですが、まだ今後1〜2週間はVIXの上昇が続く可能性が高そうです。
米国債10年物利回りが30年物と共に上昇しました。この上昇が落ち着くまでの間、ハイテク成長株にとっては厳しい環境が続きそうです。5週連続で上昇していますので、今週か来週あたりに一旦調整が入るかもしれません。
原油価格は$130のピークから下落した後、下げ止まって上昇に転じています。今後、欧州各国のロシア産原油の輸入制限が進んでいく場合、前回高値の$130を目指す展開になるかもしれません。
天然ガスは先週に一旦のピークをつけて調整下落を開始しました。天然ガス関連の銘柄は、先物価格が上昇に転じるまで一旦様子見するのが良さそうです。
セクター分析
エネルギーセクターが単独で大きく上昇しまた。一般消費財、不動産セクターの下落が大きいです。インフレの進行に伴い景気が停滞し、モノ、サービスが売れなくなることを折り込みつつあるようです。
業種分析
石油関連が全般的に良いパフォーマンスでした。それ以外では、海運、レクリエーション車両、自動車・トラックディーラー、医療流通、電子部品流通が上位に食い込んでいます。
幅広い業種が売られていますが、特に金属素材、不動産、旅行関連、情報技術が大きな下落となっています。インフレで財布の紐がきつくなり旅行の需要が減る、または商品が売れなくなり素材の需要が減退することを想定した動きと思います。
セクタートレンド分析
5/6時点の上昇トレンドのセクターと代表銘柄です。
- 電子部品流通 ARW AVT
- 医療流通 ABC MCK
- 石油ガス 採掘 HP VAL
- 石油ガス 探索・生産 DVN OXY PXD HES EOG AR EQT
- 石油ガス 統合 CVE CVX XOM SU
- 石油ガス 中流 LNG WMB STNG
- 石油ガス 精製・マーケティング CVI VLO DK MPC PBF
- 石炭(一般炭、原料炭)AMR ARCH CEIX
- 公共(独立電力製品)VST
ETF分析
エネルギーセクターETF(XOP XLE ERX)、石油(OIH USO)、天然ガス(BOIL UNG)、米国債金利(TBT)が上昇しています。
個別銘柄分析
2022-05-02週に上昇トレンドで週間のパフォーマンスが上位の米国株の銘柄のスクリーニング結果です。
先週のような厳しい相場でもしっかり上がっている銘柄がまだまだあります。7〜8割は石油、ガス、石炭関連ですが、あまり聞いたことがない銘柄も出てきてます。今後、新しい銘柄を調べていきたいと思います。海運(コンテナ船)のZIMが下落から復帰してきていますね。
今週の戦略
現在、小さめのポジションで3銘柄を保有中です。米国債金利、原油と天然ガスの先物価格の動向を確認しながら、エントリーの機会を探っていきたいと思います。
- 保有銘柄 ARCH MUSA NTR
- 監視銘柄 CVX AR EOG MCK AVT
今週は5/11(水)の8:30amに4月のCPIが発表されます。コンセンサスは8.1% vs 先月8.5%で先月から若干下落する予想。3月がインフレのピークだったのかCPIの数値に注目していきたいと思います。