過去1年間のセクターパフォーマンス比較
この記事ではFinBizを利用してセクター毎の過去1年間のパフォーマンスを比較し、以下の3つの切り口でセクターとその代表的な銘柄を洗い出してみました。
- 過去1年間のパフォーマンスが良かったセクター
- 過去1年間のパフォーマンスは良くないが、上昇に転換し始めたセクター
- 下落トレンドが続いているセクター
少し前に1ヶ月間のセクター毎のパフォーマンスを比較していますので、そちらも是非参考にしてください。
過去1ヶ月間のパフォーマンスが良かったセクターから銘柄選定(2022年2月11日時点)
調査結果まとめ
最初に今回の調査結果のまとめを記載しておきます。
過去1年間を振り返ると、石炭、石油、アルミ、海運が突出して強い結果となっていました。2020年のコロナショックで恩恵を受けて大きく上昇したゲーム、Eコマース、ソフトウェアは下落傾向である一方、コロナショックから業績を立て直しつつあるホテル、航空会社、ホテル、旅行などのセクターが上がり始めています。ウクライナ情勢の影響を受けて一旦調整していますが、情勢が落ち着いた後に上昇に戻っていくものと考えています。
個人的に注目しているのは、直近では石炭、石油、海運、アルミ、農業素材、宿泊施設、旅行サービス、今年後半から2023年に向けてはEコマース、ソフトウェアです。
過去一年のパフォーマンス上位のセクター
石炭、石油、海運、アルミ、木材、医薬品物流、鉄鋼、農業素材、保険、飲料
上昇し始めているセクター
宿泊施設、金、空港、航空会社、銅、旅行サービス、カジノ、電話通信、紙製品
下落トレンドが続いているセクター
ゲーム、ソーラー、銀、Eコマース、ソフトウェア
今後の戦略
今回の調査結果を基に当面は以下の戦略で臨みたいと思います。
- 直近1ヶ月はパフォーマンス上位のエネルギー、金属セクターの銘柄を中心にトレード。
- 下落から上昇に転換し始めているセクターについてはウクライナ情勢が沈静化したタイミングを見計らってエントリーを開始。
- 下落トレンドのセクターについては上昇トレンドに戻るのをじっくり待つ。
セクター毎のパフォーマンス比較結果詳細
以下、調査結果の詳細です。
過去1年間のパフォーマンスが良かったセクターと代表銘柄
1年間のパフォーマンスを見ると、石炭関連のセクターが上位1位と2位を占めています。少し時代遅れな印象のある石炭が最も良い結果であったことに少し驚きました。2021年後半から大きく値を伸ばしている石油関連のセクターが多く含まれています。
過去1年間のパフォーマンスが良かったセクターは、景気とインフレの動向と原油・素材の先物価格によるところが大きいです。今後、短期的にはトレンドが継続して上昇していく可能性はあるものの、中期的には3月以降の利上げとQT、それに伴う景気の一時的な停滞がやってくるかもしれない中で1年先まで上がり続けるかどうかは不透明です。いずれどこかで調整が入るものと考えていますので、短期トレードの対象として考えています。
一般炭
- パフォーマンス:+115.7%
- 代表銘柄:BTU ARCH
原料炭
- パフォーマンス: +75.5%
- 代表銘柄: AMR HCC
石油・ガス 開発・製造
- パフォーマンス:+71.9%
- 代表銘柄: PXD DVN FANG
アルミ
- パフォーマンス:+68.1%
- 代表銘柄: AA CENX
海運
- パフォーマンス:+51.5%
- 代表銘柄: SBLK MATX ZIM DAC
木材
- パフォーマンス:+42.0%
- 代表銘柄: BCC
石油・ガス統合
- パフォーマンス:+38.9%
- 代表銘柄: CVX XOM PBR
石油・ガス採掘
- パフォーマンス:+34.7%
- 代表銘柄: HP VAL
医薬品物流
- パフォーマンス:+32.5%
- 代表銘柄: MCK ABC
石油・ガス 機器・サービス
- パフォーマンス:+29.3%
- 代表銘柄: SLB BKR HAL
鉄鋼
- パフォーマンス: +28.0%
- 代表銘柄: NUE RS
保険
- パフォーマンス:+27.4%
- 代表銘柄: AIG
石油・ガス中流
- パフォーマンス:+24.5%
- 代表銘柄: WES HESM
農業素材
- パフォーマンス:+21.7%
- 代表銘柄: MOS NTR
飲料 非アルコール
- パフォーマンス: +18.4%
- 代表銘柄: KO
農業製品
- パフォーマンス:+19.2%
- 代表銘柄: ADM TSN BG
保険 損害保険
- パフォーマンス: +14.0%
- 代表銘柄: CB WRB
過去1年間のパフォーマンスは良くないが上昇に転換し始めたセクター
レラティブ・ストレングスの移動平均線が3ヶ月以内に下落から上昇に転じたセクターを以下に記載します。戦争などが発生した時に買われる金や経済再開時に恩恵を受ける空港、航空会社、ホテル、旅行サービス、カジノなどが含まれています。今後の3〜6ヶ月の期間で見たときに、これらの中から大きく上昇する銘柄が出てくるかもしれません。特に旅行サービスに注目しています。早めに上昇の兆候を捉えてエントリーしたいと思います。
宿泊施設
- パフォーマンス:+13.1%
- 代表銘柄: H MAR
金
- パフォーマンス:+6.0%
- 代表銘柄:GOLD NEM
空港サービス
- パフォーマンス: +4.2%
- 代表銘柄:PAC ASR
REIT ホテル
- パフォーマンス: +2.3%
- 代表銘柄:HST RHP
生命保険
- パフォーマンス:+1.2%
- 代表銘柄:MET AFL
ビール
- パフォーマンス:-1.5%
- 代表銘柄:BUD TAP
銅
- パフォーマンス:-2.0%
- 代表銘柄:FCX
旅行サービス
- パフォーマンス:-3.8%
- 代表銘柄:ABNB BKNG EXPE
電話通信サービス
- パフォーマンス:-7.1%
- 代表銘柄:VZ TMUS VIV
その他金属
- パフォーマンス:-8.0%
- 代表銘柄:RIO TECK VALE
航空
- パフォーマンス:-10.3%
- 代表銘柄:DAL
リゾート・カジノ
- パフォーマンス:-14.7%
- 代表銘柄:LVS MGM BYD
紙・紙製品
- パフォーマンス:-16.7%
- 代表銘柄:SUZ SLVM
下落トレンドが続いているセクター
2020年にはコロナショック後に大きく上昇したゲーム、ソーラー、Eコマース、ソフトウェアなどのセクターは2021年後半から開始した下落トレンドが続いています。これらのセクターが底を打ち、上昇トレンドに戻るにはまだ時間がかかりそうです。金利の引き上げが数回実施され、景気の過熱感がなくなり他のセクターの成長が落ち着く頃には上昇に転じてくると見ています。今後も定期的にこれらのセクターの動向を観察していきたいと思います。
ゲーム
- パフォーマンス:-39.9%
- 代表銘柄:SE EA RBLX
ソーラー
- パフォーマンス:-38.8%
- 代表銘柄:ENPH SEDG
銀
- パフォーマンス:-37.8%
- 代表銘柄:PAAS AG
Eコマース
- パフォーマンス:-28.5%
- 代表銘柄:AMZN MELI ETSY
ソフトウェア アプリケーション
- パフォーマンス:-25.6%
- 代表銘柄:CRM INTU NOW SHOP SNOW